ポルトガル語文法:仮定法

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ブラジルポルトガル語:仮定法

仮定法 Método hipotético

ポルトガル語の仮定法は英語と同様、「仮定法現在」「仮定法過去」「仮定法過去完了」の3種類がある。
仮定法は、「もし~ならば」という条件節と、その結果を示す主節からなる。なお、条件節には英語で使う「if」に相当する「se」を使う。この時の「se」は接続詞で、その中で述べられることが不確かな内容を言うので、動詞は「接続法」を持ちいる。一方、主節では「直接法」を用いる。
これによって、3種類の仮定法の形は次のような形式になる。

仮定法現在   se+「接続法・未来形」  ,「直接法・未来形」
仮定法過去   se+「接続法・過去形」  ,「直接法・過去未来形」
仮定法過去完了 se+「接続法・過去完了形」,「直接法・過去未来完了形」

仮定法現在 「もし(これから)~ならば、~するだろう」

仮定法現在:se+「接続法・未来形」,「直接法・未来形」

今現在まだ起こっていないことを想定し、もし起こったらこうなるだろう、と未来を想像する。

英語の場合で、If it rains, you will get wet.(雨が降ったら、君は濡れるだろう)と言う場合、
ポルトガル語では、Se chover, você ficará molhado.となる。

英語のif節では現在形だがポルトガル語では接続法・未来形、主節は英語は未来形でポルトガル語は直接法・未来形となっている。
接続法を使うのは「接続詞に導かれて、かつ不確かなこと」を示す場合に相当するため。
未来形なのは、「今時点は雨は降っていないが、今またはこれから後に降ったら」とあくまでも未来のことを言っているため。
主節は接続詞に導かれていないので直接法を使い、起こるのは「その後」なので未来形になる。ちなみにポルトガル語にはwillのような未来を示す助動詞がないので、個別に未来形という活用がある。

なお、仮定法現在の場合は主節の未来形は、「直接法・未来形」ではなく、近未来を示す「ir+不定詞」を使うことも出来る。

※単にse で条件を示す場合は se節に直接法・現在を使う。例えば
Se você vai, eu não vou. (あなたが行くなら、私は行かない)のように、se節では「行くかどうかは分からないが、もし行くとすれば」ということではなく、「あなたが行くんだったら、その場合は」と単に条件を示しているので、直接法・現在を使う。
ちなみに、接続法・未来を使った場合は、
Se você foi, eu não vou. (もしあなたが行くとするならば、私は行かないだろう)のように、se節では「行くか行かないかは分からないが、もし行くとすれば」という不確かだけれどもそういうことがあったら、という表現となっている。

(例文)

・Se tiver tempo, eu irei ao parque. (もし時間があるならば、私は公園に行くだろう)
・Se chover amanhã, o jogo será cancelado. (もし明日雨が降ったら、試合は中止だろう)
・Se o ônibus estiver atrasado, perderemos o avião. (もしバスが遅れたら、私たちは飛行機に乗り遅れるだろう)
・Se eu receber uma ligação, não atenderei (もし私に電話がかかってくるなら、出ないだろう)
・Se você vier, eu ficarei feliz . (もしあなたが来てくれるとしたら、うれしい)

仮定法過去 「もし(今)~であれば、~するのに」

仮定法過去:se+「接続法・過去形」,「直接法・過去未来形」

現在の事実に反することを仮定・想像・願望する。
「もしも(今)何かが起こるとしたら、~する(なる)のに」と現在のことを想定している。
結果的に言えば「~しなかったので、~しない」ということになる。

英語の場合は、
If I had time, I could go out with you. (もし時間があったら、一緒に出掛けられたのに)
をポルトガル語では、
Se eu tivesse tempo, poderia sair com você. のように言う。

英語のif節では過去形だがポルトガル語では接続法・過去形、主節は英語は過去形でポルトガル語は直接法・過去未来形となっている。過去未来形をつかうのはポルトガル語ではwouldのような助動詞を持たないために個別に過去未来形という活用があることによる。

se節では、接続法の持つ「実際に起きていないことの可能性」の意味で用いられており、過去形を使うのは「現実と離れている」ことを意味し、事実でないことを示している。
よって、上記例では、「時間があるという可能性から離れている」状態、すなわち「時間が無い」ということを意味している。
主節では直接法・過去未来形だが、これは、現実から離れた時点(過去形)からみて「~しただろう」という意味合いとなる。

(例文)

・Se eu tivesse tempo, eu iria até você. (もし僕に時間があったなら、君のところへ行くのに)
・Eu não faria isso se fosse você. (もし私があなただったら、それはしなかっただろう)
・Se eu estivesse em férias, dormiria até as 10. (もし休暇中だったら、10時まで寝たのに)
・Se ele dormisse mais, trabalharia melhor. (もし彼がよく睡眠を取っていたら、もっとよい仕事ができたのに)
・O que você faria se fosse milionário? (もしあなたが大金持だったら、何をしますか?)
・O que você faria se ganhasse grande prêmio da loteria? (もしあなたが宝くじで大金が当たったらどうしますか?)

仮定法過去完了 「もし(過去に)~であったならば、~であったのに」

仮定法過去完了:se+「接続法・過去完了形」,「直接法・過去未来完了形」

過去の事実に反することを仮定・想像・願望する。
「もしも(過去に)何かが起ったとしたら、~した(なった)のに」と過去のことを想定している。
結果的に言えば「~が起こらなかったので、~しなかった」ということになる。

英語の場合は、
If you had been there, it would have been more fun. (もしあなたがそこにいたなら、もっと楽しかっただろうに)、をポルトガル語では、
Se você tivesse estado lá, teria sido mais divertido. のように言う。

英語のif節では過去完了形だがポルトガル語では接続法・過去完了形、主節は英語は過去完了形でポルトガル語は直接法・過去未来完了形となる。

se節では、接続法の持つ「実際に起きていないことの可能性」の意味で用いられており、過去完了形を使うのは、まず過去形をつかうことで「現実と離れている」ことを意味し、完了形にすることでそれが既に終わった時点のことであることを示している。
主節は、se節は過去の時点で「~であったろうに」と未来を見ているが、そのこと自体は既に終わったことを回想しているため完了形になっている。

ちなみに、完了形はter + 過去分詞の形なので、文型は
Se の後の「接続法・過去完了形」は
eu tivesse、ele tivesse、nós tivéssemos、eles tivessem +過去分詞(~ado, ~ido)
主節の「直接法・過去未来完了形」は
eu teria、ele teria、nós teríamos、eles teriam +過去分詞(~ado, ~ido)
言う形になる。

(例文)

・Se você tivesse trabalhado mais, teria feito. (君がもっと頑張れば、出来たのに)
・Se você tivesse enviado este mapa por fax, eu não teria me perdido. (この地図をFAXで送ってくれていたなら、私は迷わなかったのに)
・Eu teria mantido esse dia aberto se você tivesse me dito. (もしあなたが言ってくれたなら、私はその日を空けておいたのに)
・Se eu tivesse chegado mais cedo, teria te ajudado. (私がもっと早く着いてたら、あなたを手伝えたのに)
・Se eu tivesse usado um avião, teriar chegado a tempo. (飛行機を使っていたら、時間に間に合っただろうに)

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