ポルトガル語文法:動詞(接続法・過去)

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ブラジルポルトガル語:動詞

接続法・過去 (Mode subjuntivo – Imperfeito)

ポルトガル語の「接続法・過去」時制とは、「接続法・現在」に対して、主文の動詞が直接法の完全過去、不完全過去、過去完了(大過去や複合形の過去完了)、過去未来のように過去の事象として捉えている場合に、従属文の中の時制を一致させたもので、過去の時点で実際には起こっていないことに関して、その時点でどのように思っていたかを表す場合に用いる。いずれも「que」やその他の接続詞を伴う節の中で使用される。

「接続法・現在」と同様に分類すると以下の様な場合に用いられる。

1.希望・命令(~して欲しかった、~するように命じた)
2.疑い(~ということは疑わしかった)
3.感情・感覚(~だとしたらうれしいかった、心配だった)
4.非人称の場合(~というのは~だった。英語ならば It was difficult that ~のような使い方)
5.接続法を伴う接続詞を使用する場合
6.関係代名詞の先行詞に不定冠詞の付く場合(um, uma, alguém, ninguém)

動詞の変化(接続法・過去)

規則動詞
規則動詞は以下の様に変化する。
ar動詞: 動詞の最後のarを取って、一人称単数は asse、三人称単数は asse、一人称複数はássemos、三人称複数は assemを付ける。
er動詞: 動詞の最後のerを取って、一人称単数は esse、三人称単数は esse、一人称複数は êssemos、三人称複数は essemを付ける。
ir動詞: 動詞の最後のirを取って、一人称単数は isse、三人称単数は isse、一人称複数は íssemos、三人称複数は issemを付ける。
規則動詞の具体的な動詞での変化(接続法・過去)
動詞の原形
(不定詞)
意味 Eu Você
Ele
Ela
Nós Vocês
Eles
Elas
passar 通る passasse passasse passássemos passassem
bater 打つ batesse batesse batêssmos batessem
partir 出発する partisse partisse partíssemos partissem
不規則動詞の変化

不規則動詞の変化の例

不規則動詞の例(接続法・過去)

動詞の原形
(不定詞)
意味 Eu Você
Ele
Ela
Nós Vocês
Eles
Elas
dar 与える desse desse déssemos dessem
estar ~である estivesse estivesse estivéssemos estivessem
ser ~である fosse fosse fôssemos fossem
fazer 作る、~する fizesse fizesse fizéssemos fizessem
dizer 言う dissesse dissesse disséssemos dissessem
ir 行く fosse fosse fôssemos fossem
vir 来る viesse viesse viéssemos viessem
pôr 置く pusesse pusesse puséssemos pusessem

接続法・過去の文例

※以下の文例で黄色マーカーの付いたような語を伴う節(que)の中では接続法を用いる。なお、マーカー内にある動詞はその主語によって変化し、目的語を伴う場合もある。
※接続法・現在の主文を過去時制とし、従属分(節内)の動詞を接続法・過去とするだけなので文例は一部とした。主文に使われる決まった語などに関しては、下記例文以外にもあるので、それらについては接続法・現在を参照して欲しい。

なお、以下の先頭の( )内はその文に含まれる動詞の原形を示します。

1.希望・命令

(pedir,fumar) Ele nos pediu que não fumasse. (彼は私たちにタバコを吸わないように求めた)
(deixar,sair) Ele não deixou que eles saíssem. (彼は彼らに出かけることを認めなかった)
(proibir,estudar) Eu proibi que as crianças estudassem na sala. (私は子供たちがリビングで勉強することを禁じた)
(exigir,ouvir) Exigimos que ela nos ouvisse. (彼女が私たちの話を聞く様に命じた)
(mandar,andar) Ela mandou que eu andasse mais depressa. (彼女は私にもっと速く歩く様に要求した)
(querer,pôr) Ela não quis que nós puséssemos a mesa. (彼女は私たちが食事の準備をするのを望んでいなかった)
(preferir,ficar) Ele preferia que todos ficassem quietos. (彼は皆が静かにするようにして欲しかった)
(querer,dar) Eu queria que você desse uma olhada. (私はあなたが一目見て欲しかった)

2.疑い

(duvidar,abrir) Duvidei que você abrisse o cofre. (あなたが金庫を開けるのではないかと疑った)
(fazer,chegar) Nós fizemos questão de que eles chegassem na hora. (彼らが時間通りに着かないのでないかということを我々は問題にした)
(ter) Talvez ela tivess brigardo com sua amiga. (多分彼女は友達とけんかしたのだろう)
(※talvez(副詞:たぶん) が動詞の前に来てかつ内容が推量であれば接続法を使う。ただし、単に文を「たぶん」と修飾する副詞なので、節ではなく’que’は使わない。)

3.感情、感覚

(ficar,escutar) Fiquei triste que eles não me esctassem. ( 彼らが私の言うことをよく聞いていないようだったので悲しかった)
(sentir,ser) Senti que ele não fosse feliz. (彼は幸せではないように感じた)
(ter,perder) Tive medo que você perdesse a hora. (君が寝坊するのではないかと心配した)

4.非人称表現
英語でいうとIt was ~ that ~ のような構文で、「~であることは~であった」と一般的な状況を示しており、that節の内容はその時点で現実に起こっていたわけではない。このため、ポルトガルのこの構文では接続法を用いる。

(ser,vir) Era importante que ela também viesse. (彼女がまた来るかが重要だった)
(ser,vir) Foi melhor que você viesse. (あなたが来ると良かった)

5.接続法を伴う接続詞

(fazer,conseguir) Fizemos todo para que ele conseguisse o emprego. (彼が仕事を成し遂げるために我々はすべての事をやった)
(sorrir,ter) Ela sorriu,embora tivesse probremas. (問題はあったが、彼女は微笑んでいた)
(sair,ver) Ela saiu sem que a víssemos. (彼女は私たちが彼女に会うことなく出かけた)

6.不定冠詞の付く語を先行詞とする関係代名詞の中の動詞
※ 不定冠詞 um, uma, alguém, ninguém

(querer,adudar) Ele queria alguém que o adudasse. (彼は手伝ってくれる人を欲しがっていた)
(querer,saber) Ele queria uma esposa que souvesse cozinhar bem. (彼は料理の上手な妻が欲しかった)
(conhecer,querer) Eu não conhecia ninguém que quisesse trabalhar aos domingos. (私は毎週日曜日に働きたいと思っているような人は知らなかった)

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