ポルトガル語文法:代名詞(不定代名詞)

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ブラジルポルトガル語:代名詞

代名詞  Pronomes

代名詞とは名詞の一種で、会話や文章の中ですでに出てきたものを再び表現するときに使う名詞のことで、人を指す「人称代名詞」、物を指す「指示代名詞」、不特定の人や物を指す「不定代名詞」などがある。

不定代名詞、不定形容詞 Pronomes Indefinidos、Adjetivos Indefinidos

人、物、事を指す代名詞で、具体的なものや数が不明確なものを指す場合に用いられる。例えば、だれかが・何かが・全てのものが・たくさんのものが、などと言う場合に用いられる。これには、性・数変化するものと、変化しないものがある。また、主語や目的語となる代名詞としての用法と名詞を修飾する形容詞としての用法がある。

不定代名詞・不定形容詞の分類

日本語 単数
男性
単数
女性
複数
男性
複数
女性
ある(量の)、いくつかの algum alguma alguns algumas
まるまる、あらゆる todo o toda a todos os todas as
もうひとつの、他の outro outra outros otoras
どれでも、どんな~でも qualquer qualquer quaisquer quiasquer
何ひとつもない nenhum nenhuma
多様な、多数の vários várias
日本語 無変化
誰か、ある人 alguém
誰も~ない ninguém
万事、全てのもの tudo
何も~でない nada
何か、あるもの、多少 algo
それぞれの、~ごとに cada

不定代名詞・不定形容詞の例文

algum, alguma, alguns, algumas, alguém, algo

algum, alguma, alguns, algumas は、いずれも、「あるもの」のように、具体的な人・物・事を指し示さない用法で、英語でsome, a few, sevralなどに相当する。これらは不定代名詞として使われる場合もあるが、ほとんどが不定形容詞として用いられる。構造的には al + um, uma, uns, umas とal +不定冠詞となっていて、男性・女性、単数・複数の違いの組み合わせになっている。これらの形容詞は修飾する名詞の前に置き、その修飾する名詞の性・数によって変化する。具体的には、algum amigo, alguma amiga, alguns amigos, algumas amigas のように変化する。

一方、alguémやalgoは不定代名詞として単独で使用され、alguémは「ある人、誰か」のように人に付いての代名詞で、algoは「あるもの、何か」のように物や事についての代名詞であり、主語や目的語として使用される。

(例文)

Algum dia vou ao Canadá. (いつかカナダに行くつもりです)
Preciso algum dinheiro. (いくらかのお金が必要です)
Você tem alguma idéia? (何か考えがありますか?)
Há alguma carta para mim? (私への手紙はありますか?)
Você precisa de alguma coisa? (何か必要なものはありますか?)
Eu trouxe alguns jornais e algumas revistas para você. (私はあなたに新聞数部と雑誌数冊を持ってきた)

Alguém vai nos ajudar. (誰かが私たちを手伝ってくれるだろう)
Há alguém em casa agora. (今、家に誰かいる)
Alguém me disse isso. (誰かが私にそう言った)
Você conhece alguém lá do banco? (その銀行に誰か知っている人はいますか?)
Tem algo para comer? (何か食べるものはある?)
Gostaria de saber se há algo de bom. (何かいいことがないかな)
Algo está errado. (何かが間違っています)

nenhum, nenhuma, ninguém, nada

否定形のグループである。「何もない」ということを意味し、英語ではnone, not any, no one, nobody, nothingのような意味合いとなる。

nenhum, nenhuma は不定形容詞として名詞を修飾する場合が多い、nenhum, nenhuma は修飾する名詞の前に置き、その名詞の性によって変化する。何も無いということから複数形はない。

ninguém は「誰もない」と人を指し、nada は「何(事)もない」と物や事を指す不定代名詞として使われる。

(注)英語の場合、not ~ nothing の言い方をすると二重否定で肯定になるが、ポルトガル語は肯定にはならず、あくまでも否定の意味ままとなる。

(例文)

Nenhum amigo quer me ajudar. (どの友達も私を助けようとはしない)
Ele não teve nenhum probrema, por isso não fez nenhuma pergunta. (彼にはなにも問題が無かったので、なんの質問もしなかった)
Não há nenhuma telefonema. (電話はありませんでしたよ)
Eu não quebrei nenhum copo. (私はコップはひとつとして割っていません)
Você pode me emprestar algum dinheiro? — Não, de jeito nenhum. (お金を貸してくれない?―絶対ダメ)

Ninguém mora nesta casa. (この家には誰も住んでいません)
Alguém veio me procurar? — Não, ninguém. (だれか私を訪ねてきませんでしたか?--いいえ、誰も)
Telefonei para lá, mas não havia ninguém em casa. (そこに電話をしたが、誰も家にいませんでした)
Ele não fez nada para me ajudar, (彼は私を手伝うようなことは何もしませんでした)
O que você disse? — Nada. (何か言いましたか?――何も)
Ninguém fez nada. (だれも何もしませんでした)
Ele não sabe nada. (彼は何も知らない)
Não há nada de novo. (何も変わったことはない)

todo o, toda a, todos os, todas as, tudo

全部を意味する言葉で、英語ではall, everyのような意味合いになる。
todo o, toda a は todo(a)+定冠詞+単数名詞という形で、「まるまる~、~中」の意味となる。
なお、語順が、定冠詞+単数名詞+todo(a)としても使われる。
複数形の todos os, todas as も todos(as)+複数定冠詞+複数名詞となるが、意味が単数の場合とは異なり、「どんな~でも、あらゆる、毎~」の意味となる。なお、会話表現では、この複数形の意味で、todo+単数名詞で言うことができる。
なお、いずれも不定形容詞の用法で、名詞の前に置き、性と数で変化する。

一方、tudoは不定代名詞で、「すべてのもの、万物、万事、万人」という意味合いで、主語や目的語に使用される。

(例文)

Ele trabalha todo o dia (o dia todo). (彼は一日中仕事をしている)
Ela cantou toda a noite (a noite toda) ontem. (彼女は昨日一晩中歌っていた)
Ele gastou todo o dinheiro (o dinheiro todo) no jogo. (彼はゲームでお金を全部使ってしまった)

Ele trabalha todos os dias. (彼は毎日働いている)
Todas as casas têm portas e janelas. (どんな家にも玄関と窓はある)
Nós conhecemos todos os alunos de escola. (私たちは学校の生徒一人一人まで知っている)
Ele telefona todo dia. (彼は毎日電話をしている) todo dia=todos os dias

Tude que existe acaba. (この世の物全てには終わりがある)
Vou comprar tudo. (私は全部買います)
Giga tude o que você sabe. (知っていることを全部話せ)
Ele sabe de tudo. (彼は何でも知っている)
Eu gosto de tudo. (私は何でも好きだ)

cada, vários, várias, outro, outra, outros, outras, qualquer, quaisquer

これまで説明して来た以外の様々な数や物・事に対するもの。
cada は単複同形の形容詞で、「それぞれの、~ごとの」の意味で、英語では each, every に相当する。
vários, várias は複数のもの・ことに付く形容詞で「様々な、多数の」の意味で、英語ではvarious, many などに相当する
outro, outra, outros, outras は「その他の」の意味の形容詞で修飾する性・数で変化する。英語では another, other, othersなどに相当する。
qualquer, quaisquer は「どんな~でも」の意味の形容詞で、性の違いはないが、修飾する名詞によって単数・複数の違いがある。英語では any 相当する。

(例文)

Cada aluno recebeu um livro. (それぞれ生徒は本を1冊受け取った)
Cada uma destas salas tem duas janelas. (これらの部屋のそれぞれには2つの窓がある)
Ele deu um presente para cada criança. (彼はそれぞれの子供にプレゼントをあげた)
Eu vou ao hospital a cada três dias. (私は3日ごとに病院へ行きます)

Tenho vários amigos no Japão. (日本にたくさん友達がいます)
Telefonei para ela várias vezes. (私は彼女に何度も電話しました)
Várias pessoas estão interessadas neste trabalho. (色々な人がこの作品に興味を持っています)

Vou outro dia. (私は別の日に行きます)
Tem outro carro mais barato? (もっと安い他の車はありますか?)
Este livro não serve. Voce tem outro? (この本は役に立ちません。他の本はありますか?)
Outras pessoas estão reclamando. (他の人たちが文句を言っています)

Qualquer pessoa pode fazer este trabalho. (だれでもこの仕事をやれる)
Qualquer um gostaria de ter uma casa como esta. (だれでもこのような家をもちたい)
Qualquer dia destes ele vai aparecer. (近いうちに彼は姿をみせるだろう)
Qualquer coisa serve. (なんでもいいですよ)
Me dê um livro qualquer. (どんな本でもいいので私にください)
Você é alérgico a alguma outra coisa qualquer? (他にアレルギーは何かありますか?)
O corpo de bombeiros estão sempre pronto para atuar em quaisquer momentos.(消防隊はいつでも行動できる準備ができています)
Há quaisquer problemas com viver aqui? (ここでの生活に問題はありますか?)

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