シューパロ湖

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北海道夕張市にあるシューパロ湖は夕張川に1962年建設された大夕張ダムによって出来たダム湖で、その後、2015年に完成した現在の夕張シューパロダムで前の大夕張ダムは水没し、さらに面積・水量とも増し、現在では日本で2番目の湛水面積、4番目の貯水量となっているという。
湖は静けさを保っており、湖に向かって左には遠くには夕張岳へ向かう現在の白銀橋、水量が減っていたせいだろう中央には水没してしまった旧白銀橋が見える。湖水の岸辺には木々の立ち枯れた姿が現れていて、過去の繁栄の跡が忍ばれ、もの悲しさすら感じる。

シューパロ湖全景

シューパロ湖全景

シューパロ湖は夕張市の中央部に位置する。現在の夕張市の中心街は夕張炭鉱を中心に栄えた地域であり、一方、シューパロ湖の周辺は大夕張炭鉱等で栄えた地区であった。炭鉱の閉山と共に過疎化が進み、今はその町の多くの部分が夕張シューパロダムにより水没している。現在の夕張市南部地区は過去2万5千人の人口を数えたが、2019年9月には371人にまで減っているそうである。現在その名残りとして、三菱大夕張鉄道車両保存地が、かつての大夕張鉄道の南大夕張駅跡に残っている。なお、鉄道はこの先、大夕張炭山駅まで、さらに10㎞ほど続いていたようだが、これもシューパロ湖の下に沈んでいるという。

シューパロ湖地図(国土地理院地図閲覧サービスより)

シューパロ湖地図(国土地理院地図閲覧サービスより)

国道452号線をシューパロ湖に南側から向かうと、シューパロトンネルに入る前に、夕張シューパロダム入り口という信号のある交差点がある。その少し先の左手の空地のような所に列車があるのが見える。そこが三菱大夕張鉄道車両保存地であり、かつての大夕張鉄道の南大夕張駅の跡とのことだ。

三菱大夕張鉄道車両保存地

三菱大夕張鉄道車両保存地

少し戻って、夕張シューパロダムに向かう。ダムに降りていく手前で車両立ち入り禁止となっていた。その近くに駐車場があり、車を降りて歩いて向かう。200mほど道を降りて行くとダムの下に出る。ただし、この先は徒歩も立ち入り禁止になっていた。2015年完成ということなので、真新しい感じだ。川沿いにはシューパロ発電所が建設されていた。
行ける箇所が限られていたので、残念ながらダムの外観を見るだけに終わってしまった。

夕張シューパロダム

夕張シューパロダム

夕張シューパロダムから戻り、シューパロ湖へ向かう。シューパロトンネルという2.3㎞ほどの長いトンネルを抜けると右手にシューパロ湖が現れてくる。シューパロ湖の中ほど辺り、トンネルから1㎞ほどの所に駐車スペースがある。

湖に向かって右側、南の方向にダムがある。山深い湖のようなたたずまいを見せている。対岸には木々が水没し立ち枯れた様子が見える。

シューパロ湖下流側

シューパロ湖下流側

湖中央部に水面からアーチ橋が現れている。昔の白銀橋という鉄道橋だそうだ。頭だけが飛び出して見える。この周辺もかっては町があったのだろう。

シューパロ湖中央部

シューパロ湖中央部

湖の左手、北側を見ると新しい白銀橋が見える。夕張岳登山道へ向かう道となっている。真新しい橋と、古い遺構との対比は、静かけさと相まって、何かもの悲しさを感じる。夕張岳も頭をのぞかせている。

夕張川上流部

夕張川上流部

途中で寄っただけのシューパロ湖ではあったが、静かで美しい景観をしていた。昔、ここに炭鉱があったとは想像もつかない。炭鉱で繁栄していた町と、それを包み隠してしまったシューパロ湖。歴史を紐解かないとその事実が分からない。そんな歴史のある場所だが、今は立派な道路があるだけで、ほとんど案内や観光施設は無い。その分、観光化していないことで、このような自然が保たれていることが唯一の救いかもしれない。

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