ウスタイベ千畳岩

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北海道紋別市街から北に約100㎞ほど、枝幸町(えさしちょう)に北海道誕生の歴史を物語る溶岩流の跡、ウスタイベ岬がある。この先端にウスタイベ千畳岩という、海に溶岩が流れ込み急に冷えて出来たという柱状節理の岩が海岸線に連なっている場所がある。岬の一帯はキャンプ場になっていて、道や設備もよく整備された公園のようになっていた。北海道の北東部はどちらかというと砂丘の海岸が多いが、ここは岩礁のある景勝地として珍しい所なのだろう。

ウスタイベ千畳岩(国土地理院地図閲覧サービスより)

ウスタイベ千畳岩(国土地理院地図閲覧サービスより)

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岬の先にはなぜか2種類の看板が立っていた。右側の看板の脇から岩の上に出ることができる。

この近くは、縄文時代からの遺跡に囲まれた地のようであり、海に開けた土地と山の恵みで豊かな土地であったのだろう。

説明板

説明板

岩場に下りて行くと、大きな岩の塊の上に出る。地上からの目視では近くのみしか見えないが、この一帯が溶岩流の上にあるようだ、見える範囲でもかなり先まで同じような地形が連なっている。
岩は方形に割れて積み重なったように海に立っている。岩を伝って結構下まで行けるが、段差や隙間があって、けっこう危ない。

ウスタイベ千畳岩

ウスタイベ千畳岩全景

ところで、なんでこんなところに溶岩があるのかという疑問がわいて調べてみた。北海道の生い立ちを記した、北海道立総合研究機構の資料によると、

「恐竜が地球を支配していた8000万年前、北海道はまだ一つの島ではなく、数千kmにも及ぶ広大な範囲に散らばっていた。北海道の西半分は中国やロシアなどがある巨大な大陸の一部、東半分はそのはるか沖に浮かぶ島々だった。のちに北海道の大地となる様々な場所は、プレートの動きにしたがって少しずつ移動し、やがて今のアジア大陸の東のはじでぶつかり合うようになり、境目で大地は盛り上がって高い山脈をつくる。今から2000万年前頃には、移動しぶつかり合う大地は、ほぼ今の北海道の位置までやってきた。さらに激しくなった大地のぶつかり合いによって、ついに地球の地下深くを構成するマントルというところの岩石までもが顔を出すようになる。一方で、北海道をとりまく大地では巨大な割れ目から膨大な溶岩が噴き出し、そこには海水が入り込んで海へと姿を変えていった。」

プレートのぶつかり合いによる溶岩の噴出によって島々が覆われ東海岸側が出来たということのようだ。この一部が海岸線に残っているということか。壮大な地球の歴史の一部がそのまま目に見えて残っていると考えると感慨深いものがある。

さて、目を転じて陸側を見ると、そこはキャンプ場になっている。オートキャンプの車が結構止まっていた。

キャンプ場

キャンプ場

ウスタイベ千畳岩は、それだけでは岩礁としての景勝地だが、地球の歴史と重ね合わせると、なんともロマンを感じる場所でもある。周りに何も無いから、星の観察や、岬の東に突き出た先端にあり、日の出の絶景も期待できそうだ。

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