面河渓(おもごけい)四国の渓谷美の代表

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四国の渓谷美の代表格である面河渓は、四国最高峰の石鎚山麓を源流とする仁淀川の一部で、愛媛県内では面河川と呼ばれる川の上流域にある久万高原の渓谷である。
ただ、いかにせん交通の不便なところで、バスは学校や地域の生活者向けだから、公共交通機関で行くのは本数も少なく、乗り換えの接続も不便なので結構時間がかかる。よって、あまりお勧めはしない。今回はレンタカーを借りたが、松山市街から片道約70㎞弱で片道1時間半ほど、6時間借りて、現地で3時間ほどの余裕がある。バス代が結構高いので利便性を考えればレンタカーを利用する方が得策だろう。

面河渓の景観

面河渓の全体を以下の地図に示した。

面河渓地図

(国土地理院地図閲覧サービスより)

面河渓の駐車場は「面河山岳博物館」の前の「関門駐車場」か五色橋を渡った先にある。渓泉亭の前にもあるが、これは店用だろう。面河渓の景観を楽しみたい人は関門駐車場、水遊びを目的とするなら五色橋を渡った駐車場、休憩・一服なら渓泉亭ということになる。

面河山岳博物館~五色橋

このコースは面河渓のダイジェストのような所で、徒歩時間だけで片道20分ぐらいの距離の中に面河渓の荒々しい渓谷と仁淀ブルーの清廉な淵、面河川の緩やかな流れと面河渓の良い所がぎゅっと詰まっている。この部分を見逃したらもったいない。そして余裕時間で川遊びをしても時間が余るほどだ。

松山市街から車で1時間半ほど、「面河山岳博物館」を目指す。博物館の近くに駐車場があり、博物館の地下部分も駐車場となっていた。

地下駐車場を通って、遊歩道に出る。すぐに「面河渓」の石碑があり、その目の前の河原は透き通った淵が、これも仁淀ブルーだろう。

そのまま進むと、すぐに右手に「錦木の滝(にしきぎのたき)」が現れる。

錦木の滝

錦木の滝

この一帯が「関門」と言う場所で、約1,500万年前の石鎚の火山活動で出来た地形だという。ここから先、両側を岩に囲まれた中を歩いて行く。途中に空船橋という橋があり、渓谷をまたいで先へ進む。この辺りが最も勇壮な景観となっている。

この先、川をやや離れて山中の道を歩いて行くと、車道に突き当たる。左側が山岳博物館に続く道で、右が五色橋に続く。そのまま、五色橋方面にしばらく車道を歩いて行くが、何の変哲もない。しばらくは川も見えない。

車道を10分程度だろうか歩くと、左に川が、先に五色橋が見えてくる。これまでゴツゴツとした荒々しい岩の景観を通り、ただの舗装道路を長々と歩いた先に見えたのは、なんとも穏やかな渓流だ。水は透き通っていて、美しい。全く別世界に来たような感すらする。

五色橋

先に五色橋が現れる

面河川(仁淀川の愛媛県での名称)だ。ここまで同じ川を見てきたはずなのに、水量も流れも全く違って見える。深く切れ込んだ谷の下を流れていたのに対し、浅く広く眼前に現れた川は本当に気分まで和やかにしてくれた。

五色橋の下流側はやや深みがあり、上流側は川に降りることができ水遊びもできそうだ。ここまで来るのに20分ほどだったので、そう長い距離ではないが、流れを見ながらゆっくりと癒されたい気分になってくる。

五色橋から面河川本流ルート

五色橋の少し下流のところで、面河川は鉄砲川と合流している。橋を渡って先に行くと鉄砲川方面、橋を渡らずに川を左手に見ながら登るのが本流ルートと言うのだそうだ。五色橋から100mほど上流側に渓泉亭という店がある、面河茶屋とも言うようだ。休憩、食事、土産などを扱っているようだ。

渓泉亭

五色橋から渓泉亭を望む

渓泉亭の脇にあった桜は満開だった。

渓泉亭脇の桜

渓泉亭脇の満開の桜

渓泉亭の所までは車が入って来られるようだ。渓泉亭の前に数台の駐車スペースもある。
ただ、この後は車は通れず、徒歩のみとなる。ここから先は石鎚山への登山道にもつながっている。

この渓泉亭の周辺や五色橋辺りは五色河原として面河川の景勝地のひとつになっている。そして面する対岸の崖は「亀腹」という名が付いている。亀の甲羅の腹側の様子のようだが。切り立った岸壁が山深い中の渓谷を思わせる。

亀腹

亀腹

渓泉亭をさらに上流に向かうと、鶴ケ瀬橋という小さな橋がある。ここからは舗装はなく、山道、と言ってもなだらかな道だが、になる。

鶴ケ瀬橋

鶴ケ瀬橋

川からは少し離れた道になる。しばらく歩くと、すぐにキャンプ場がある。ここを川の方に向かって入って行くと、蓬莱渓という渓谷に出る。白い恐竜の骨のような岩の上を流れる姿が印象的だった。

この先、渓泉亭から2kmぐらい川沿いに上流へ向かうことができるようだ。案内には「下熊淵」、「上熊渕」、「虎ケ滝」、「苔の桟道」、「九天の滝」など興味をそそる名前が並んでいたが、時間の都合で断念し、鉄砲川へと向かった。

五色橋から鉄砲石川ルート

奇岩のコースというと名前につられて鉄砲石川沿いを遡ってみることにした。鉄砲石川という面河川の支流になる。
五色橋を渡って国民宿舎方面へ向かう。国民宿舎は2016年に閉鎖されたとのことで現在はないが、五色橋から100mぐらいのところが駐車場となっていて、ここまでは車が入れる。その後は軽い山道となる。
しばらく登るとトンネルがある。手掘りのトンネルのようだ。照明は無いので薄暗い。

鉄砲石川のトンネル

鉄砲石川のトンネル

トンネル少し手前に左に細い道がある。パノラマ台という展望台への道だが、まずはそのままトンネルを抜ける。
トンネルを抜けると、その先はキャンプ場がある。この近くに「鉄砲石」という川の名前の由来と思われる石があったようだが、見逃した。

道沿いから川を見下ろせるところがあり、その先に「櫃の底(ひつのそこ)」という滝が見える。この名前は滝の名前のようだが、滝つぼをお櫃にたとえてその底が見えるという意味なのだろうか、滝そのものは小さなものだが、その滝つぼの水の色が印象的だった。

櫃の底

櫃の底

櫃の底を過ぎると左手に鉄砲石川キャンプ場が見えてくる。

鉄砲石川キャンプ場

鉄砲石川キャンプ場

キャンプ場からしばらくは、なだらかな山道を川沿いに登って行く。五色橋から15分ほどで錦渓橋という橋がある。この近くが奇岩と呼ばれる岩の集中しているところのようだ。

橋の上から下流方面に見えるのが「お月岩」だ。何を称して月と言うのかは定かではないが巨岩の摂理の跡が三日月にも半月のようにも見えないこともない。

お月岩

お月岩

橋を渡ってすぐ右手に「兜岩(かぶといわ)」がある。こちらは、何とはなしに兜をかぶったような姿だ。

兜岩

兜岩

そのさらにやや上に行くと「鎧岩(よろいいわ)」がある。これは摂理の跡が、見るからによろいの草摺のように見えるからなのだろう。見事な自然の造形美だ。

ここから5分ほど登ると、「布引の滝(ぬのびきのたき)」がある。表示も何もないので見逃してしまいそうな滝だ。という言うより、滝の豪快さはなく、なめらかな岩の表面を音もなく水が流れている。高さは40mほどとあるので結構高さはある。白い岩肌が竜のように天に上がっていく姿のようにも見える。珍しい、変わった滝だ。

布引の滝

布引の滝

この後は、そのまましばらく登ったが、あまり変哲のない山道だ。途中の道端にアケボノツツジが咲き始めていた。4月中頃が見ごろのようだ。

アケボノツツジ

アケボノツツジ

そのままなだらかな山道を登って行くと、楓渓橋(ふうけいばし)という橋を渡る。特に何の変哲もない橋だ。布引の滝から15分弱で着いた。

楓渓橋

楓渓橋

橋から川を眺めると、やはり面河川本流とは水量も少なく川幅も狭いが、木々に覆われて結構見ごたえのある風景だ。カエデの渓流と書くのだから、この辺りは紅葉の頃が美しいのだろうか。

楓渓橋からさらに登って行ったが、この先の道が小川のようになっていて、石の上を渡り不安定な状態になって来た。この上は夫婦橋、赤石河原というところがあるようだが、時間の問題もあり、ここで引き返すことにした。

水に浸かる山道

水に浸かる山道

パノラマ台

帰り道に、若干時間があったのでパノラマ台に寄ってみることにした。五色橋からだと鉄砲石川に向かう途中のトンネルの手前から左に細い登り道がある(鉄砲石川ルートだとトンネルを抜けて右側)。ここから10分ほど登るとパノラマ台に着く。特にきつくはないが、面河川本流ルートや鉄砲石川ルートに比べれば山登りとなる。

パノラマ台へ続く山道

パノラマ台へ続く山道

パノラマ台へは途中で、左方向に登る階段があり、岩の上へと登っていく。
パノラマ台からは面河川の遠景を見下ろすことが出来る。

パノラマ台からの景色

パノラマ台からの景色

パノラマ台の階段を降りたところから、さらに山道を進めば亀腹展望台を抜けて第一キャンプ場に向かうことが出来るようだが、今回はそのまま元の道に戻り帰路につくことにした。

まとめ

面河渓は公共交通が不便なので行きにくいが、松山市街からもそれほど遠いわけでもなく、その割には秘境を思わせるような渓流の雰囲気もあり、軽い山登りも楽しむことが出来る。そして、何と言っても水の美しさと、間近に迫る岩山の姿は印象的だった。今回は自由時間が3時間ほどだったのに、欲張って色々なコースを歩いたため、それぞれ奥深くまで行くことは出来なかったが、それでも十分に面河渓を満喫することが出来た。
さらに時間があれば、もっと楽しむことが出来るし、飽きることのない地だと思った。

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