利尻山登山

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礼文岳海からの眺望

利尻岳 海からの眺望

北の孤島、利尻島。島そのものが山であり、その美しい姿は利尻富士とも呼ばれ、ぜひ行ってみたい場所でした。海抜0mから登るため利尻山の標高1721mは富士山五合目から山頂までの高さより高いんです。登山道は整備されていますが岩のごつごつした石段を上る感じのところが多く、意外と厳しいコースです。しかし、随所に現れる花々は心を和ませ疲れも飛んでしまいました。山頂までは麓に給水場所があるだけで、水や、ましてや売店などありません。トイレは携帯トイレ使用になりますが、女性用(?)に何ヶ所か携帯トイレを使用できるトイレが設置されていました。若い人は別として、休憩を入れながら登ることを前提に余裕を見て10時間ぐらいを計画しておいた方が良いかもしれません。

利尻というのは、アイヌ語でリイシリ(高い山のある島)からきているとのこと、連絡船の泊まる鴛泊(おしどまり)もアイヌ語のオッストマリ(岬の根元にある入江)からきているそうです。「鴛:おしどり」とは関係ないようです。
利尻島ヘは船ばかりでなく、飛行場もあって、通常は札幌の丘珠空港から1日2便が出ており、鴛泊の街から若干離れたところに空港があります。

利尻島 地図

利尻島 地図(観光パンフレットより)

登山道は鴛泊コースと沓形コースがあり、沓形コースの方が若干難易度が上がるようです。・・・と言う私は鴛泊コースを登りました。

6月28日、前日、鴛泊に宿泊、朝4時30分過ぎに旅館を出発、車で鴛泊コースの登山道入り口の北麓野営場まで送ってもらいました。ここは既に利尻山の3合目になるとのこと。ここで、登山計画書を提出して、ほぼ午前5時。さあ、出発です。

鴛泊から登山道入り口までは立派な道路が続き車両も入れるが、登山道入り口からは車両の進入は出来ず、上の写真のような石畳の舗道で始まる。木立の中を歩き15分ほどで、甘露泉水という湧き水がある。名水百選に選ばれた日本最北端の名水だ。そして、ここが利尻山の最後の給水ポイントになる。

利尻島 甘露泉水

甘露泉水

水を補給して、ここから本格的登山道に入る。出発してすぐに道は二手に分かれる。右が利尻山、左はポン山・姫沼方面だ。

ここから5合目ぐらいまでは、足元は必ずしも良くないが、下の写真のような比較的なだらかな道が樹幹の間を通っている。

利尻島 樹幹の道

樹幹の道

6合目ぐらいまでの間には、随所に花々が咲いていました。礼文島のようなお花畑ではありませんが、心和ませるものがあります。

5合目を過ぎた辺りから登山道の傾斜や道も岩のごつごつした所が多くなってきます。

利尻島 登山道の状態

登山道の状態

8合目に到着。ここまでに北麓野営場から2時間50分かかりました。長官山の頂上にあたるようです。

長官山は1218mですので、あと503mの登りです。さすがに、ひとつひとつの不均等の岩を登りながらの工程は徐々に厳しくなってきました。天気が悪く雨が時折降っており、ガスが出て進むのに問題のないほどの視界はあるものの景色はほとんど見えませんでした。

8合目から9合目は岩が少なく若干登りやすく途中に避難小屋もありました。
この区間は花が結構多く、和ませてくれます。道は泥道のところが多く、岩でない分歩きやすいですが、雨でドロドロになっていました。長官山の山頂を通って進むので少し下る所もありました。

この辺りで見かけた花を並べてみます。

9合目に到着、1410m地点だ。霧で何も見えない。あと311m。

利尻島 9合目

9合目 奥は携帯トイレ用の小屋

この辺りになってくると本当に最後の力を振り絞ってという感じになって来る。足場も悪いところも多くなり、岩もごつごつと大きいものが目立つ、手を使わないと登れないところもある。
登山道は狭いので、この辺りは登山する人と下山する人との交差が頻繁に起こるようになり、お互いに道を譲りながら進む。
霧と切り立つ崖や織りなす木々で、9合目と言いながら頂上が見えない。

先に人の声が聞こえる。頂上が近いようだ。最後の頑張りで、目の前の視界が開けた。ついに山頂に到着。

利尻島 利尻山山頂

利尻山山頂

8合目から9合目は所要時間52分、9合目から山頂へは58分かかった。

朝5時に登山道入り口を出発して若干の休憩も含め9時45分に到着、4時間45分の行程だった。

山頂周辺を見渡しても霧で見えない。今日の14時35分発の船に乗る予定があるので、残念ながらのんびりも出来ず10時には山頂を降りることした。

帰りは全く同じ工程をひたすら降りるだけである。下りの坂を見ると結構きついし、岩のでこぼこも結構大きいことが分かる。

9合目から8合目の間で、木々の間の草むらに動くものが目に入った。多分シマリスだ。あわててシャッターを切った。映っていたのが下の写真。リスはすぐに草むらに消えてしまった。

8合目下の見晴らし台で、霧が若干無くなった。そのときの景色はこんな感じだ。

フェリーの時間の問題があったので、ひたすら下山。

ほぼ13時、登山道入り口の北麓野営所に到着。下山に約3時間かかった。この間の往復で7時間45分の行程であった。

ここで、登山計画書の下山報告書を提出。

鴛泊フェリーターミナルに向かうが、バスは無い(途中の利尻富士温泉からはあるようだが、温泉までは2.2㎞あるとのこと)タクシーは呼べるようだ。
また、利尻富士温泉は日帰り入浴や食事もできるようです。

結局、歩いてターミナルに行くことにしたが、1時間程度で着かないと船に乗れないので若干あわてた。というのは、途中にも全く案内表示がない。道はまっすぐにしかないので間違えることはなさそうだが、一直線の道路以外、先が見えない。街に入っても同じだ。旅行客にはやや不親切な気がした。
結局、北麓野営所から1時間強で着いたが、時間が無かっただけに海が見えた時にはやっと安心した。

まとめ

高年者の登山の場合という前提で、登山道入り口から4時間45分の登り、下山に3時間、今回は、やや余裕が無かったので8時間ぐらいはかかると見た方が良い。フェリーターミナルからは約1時間なので、フェリーターミナルから考えると基本は10時間ぐらいはかかる。あとはどの程度、余裕を見るかで計画を立てればよいと思う。
登山道としては整備されており、登山道に添って行く限り迷うことは無いと思うが、雪渓などが残っており道を外れた場合、霧が出たりすると危険だ。
利尻島には熊と蛇はいないことになっていたが2018年5月に熊が渡って来たとのこと、注意が必要だ。
概して、山そのものは非常に難しい山ではないが、結構な区間、登山道に大小の岩が露出しているところを登ることになり、1mぐらいの段差があるところもある。体力に合わせてのんびり登った方が、景色や花を楽しむ余裕を持って登ることが出来ると最高だろう。

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