コムケ原生花園は、網走方面から紋別市街に向かう途中にある。あまり目立った場所ではなく、国道から海側への道に入っていく。国道の標識はなかったが、原生花園に曲がる道側に「小向原生花園」と縦に漢字で書かれた看板があった。観光地的な イメージは無く、国道からわき道に入って、100mほど進むと牧場があり、その先には舗装されていない道が続いている。公道なのか私道なのか一瞬迷うが、そのまま進んで行くと、円形の広場のような所に出る。一周が柵がめぐらされていて、そこより先には入れない。海に続く道も以前は通れたのか道筋は見えるが柵で立ち入り出来ないようになっていた。よって、原生花園のただなかから周囲を眺めるだけになってしまうが、地平線の見える広大な原野が眼前に広がっていた。
国道を曲がり、舗装が無くなる牧場の辺りから500mぐらいの距離を進むと、円型の広場に出る。コムケ原生花園の駐車場となっており、そこより先には車も人も入ることができない。ここにつながる道路は砂利道で車1台が通れる程度だ。この日は他に訪問者はなかった。
駐車場の入口の向かい側にコムケ原生花園の石碑が立っている。ここから石碑の後ろ側、南東に向かってコムケ湖まで原生花園としてつながっているようだ。
原生花園の説明がある。天然記念物という表示があり、海浜植物、湿地性・乾原性の高山植物、一般荒原植物(気候条件などが厳しく、特定の植物がまばらにしか生育できない所に育つ植物)などの群生があるという。
石碑の後ろはコムケ湖側に向かう草原、地平線が見える。花の種類は案内から見ると比較的背の低いものが多いようで、表面からでは原生花園というお花畑の様相はなかった。
駐車場から海へとつながる道の様である。現在の所、柵が出来ていて中に入ることは出来なかった。本来ならば中に入らないと、この原生花園の花は見つけられないのだろうが、やむを得ない。
駐車場から見えるのは主にハマナスで、その他は、たぶんエゾノシシウドの類と思うが、背の高い花は見ることが出来た。
周りのどこをみても、広大な草原と地平線が広がるばかりで、花を期待してくると、少しイメージが違ってしまうかもしれない。本音はもう少し、中を見ることが出来たらなあ~という気持ちだが、自然を守るには仕方がないと納得して次に向かうことにした。
帰り道、キタキツネが道路に出てきて座り込んでしまった。行き過ぎるまでしばらく待ったが、自然の中にいることを改めて感じさせてくれた。
コムケ原生花園は手つかずの原生花園なのだろう、同時に観光面でも手つかずだから、あまり期待しすぎると少しがっかりするかもしれない。しかし、草原の中にポツンと取り残されたような場所にいると、さすがに大自然の中にいる実感がする。
季節によって、また顔が違うだろうし、何といっても国道からわずかな所にあるので、通りがかりに立ち寄ってみるのもいいだろう。
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