大歩危と祖谷、四国の秘境

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 徳島県の西端、四国の中央部、吉野川の流域にある大歩危・小歩危、祖谷渓など渓谷の美しい所だが、平家の落人部落や、かずら橋などでも有名だ。鉄道ではJR土讃線の大歩危が最寄り駅となる。大歩危駅から大歩危渓谷まではそう遠くはないが、かずら橋や祖谷渓はかなりの距離がある。路線バスや定期観光バスも走っているようだが、便数は少ないので事前確認が必要。

祖谷渓(国土地理院地図閲覧サービスより)

祖谷渓(国土地理院地図閲覧サービスより)

 4月の10日を過ぎているというのに、前日からの雪で季節外れの景色を見ることができた。かずら橋をさらに奥に入ったところに宿を取ったので、そこから見えるのは祖谷川を挟む峡谷の景色になる。

雪化粧した祖谷

雪化粧した祖谷

 早速、祖谷川に沿って、かずら橋へと向かった。祖谷川は前日の天候にもかかわらず流量はそう多くはなかった。天気は未だ小雪がちらつく状態だったので、日に輝く流れを見ることはできなかった。しかし、山奥深い渓谷の雰囲気を感じることができた。

祖谷川(かずら橋近く)

祖谷川(かずら橋近く)

 途中から、祖谷川沿いに遊歩道がかずら橋近くまで続いている。

かずら橋への祖谷川沿い遊歩道

かずら橋への祖谷川沿い遊歩道

 しばらくすると「かずら橋が」が見えてくる。後ろに近代的な橋と建物があり、奇妙なコントラストとなっている。

かずら橋(下から)

かずら橋(下から)

 ここで遊歩道は終り、一般道に戻って、かずら橋へ向かう。かずら橋の先にあった橋の上から見た「かずら橋」。こちらからは近代的建造物が写り込まないので、渓谷にかかる橋が自然と溶け合っている。

かずら橋(上から)

かずら橋(上から)

 橋のたもとから見ると、かずらの蔦を幾重にも巻きつけて作り上げているのが分かる。全長45mあるという。人手だけで造り上げた昔の労力がどんなものであったのか想像させられる。

かずら橋

かずら橋

 先ほどの遊歩道から一般道に上がったところに、「琵琶の滝」がある。かずら橋からは少し上流側に上ったところにある。道から少し奥まっているせいか、唐突に現れる感じがある。
 「琵琶の滝」は、平家の落人が都の生活をしのんで、滝の下で琵琶を奏でて慰め合った場所であったことが由来とのこと。思えば、権力争いに負ければ辛酸を嘗めなければならないのはどの時代も同じなのだろう。

琵琶の滝

琵琶の滝

 「かずら橋」から祖谷川上流の祖谷渓に向かう。崖に寄り添うような道を登って行くと、祖谷温泉というホテルがある。ここは、北海道のニセコ薬師温泉、青森県の谷地温泉とともに日本三大秘湯ということだ。ホテルから渓谷までケーブルカーで降りて露天風呂まで行けるとのことだったが、そこは素通りして、その少し先にある「小便小僧」の像に寄ってみた。
 道路が少し広くなっていて車を止めることができる。大きな表示があるわけでもないので見落としてしまいそうだ。崖に飛び出した場所に小便小僧がいる。昔の人は度胸試しでしていたとのことから作られたということだ。この像は危険喚起なのか?

小便小僧

小便小僧

 さすがに、下を見ると足がすくみそうだ。

小便小僧の見ている谷

小便小僧の見ている谷

 小便小僧から祖谷温泉方向に戻って、ホテルを過ぎて1kmほどの所に「ひの字」渓谷がある。小さな案内看板が川側の崖の手すりについているだけなので、細い道に気を取られていると見逃してしまいそうだ。実は行きに見逃して帰りに見ることになった。
 ここは、なるほど川が蛇行して、平仮名の「ひ」の形だ。ただ、左右の曲がりは完全には見えない。それはともかくも山深い渓谷の趣を醸している。

ひの字渓谷

ひの字渓谷

 祖谷温泉側から祖谷の集落へと戻って来た。大歩危峡に向かう途中に、平家屋敷(平家屋敷民俗資料館)があると言うので寄ってみた。受付にも上の方にある建物にも誰もいない。閉じているわけではなさそうだったが、中には入れず庭から建物を見るだけになってしまった。
 掲示されていた案内によれば、平家滅亡の折に一族とともに入山した、堀川内記が初代で、後に西岡と名乗り代々住んできた場所のようで、屋敷と土蔵が残っている。よって本来は西岡家屋敷というのが正しいのだろう。なお、この建物は平家滅亡時の平安末期のものではなく、江戸から幕末にかけて建てられた物という。その江戸時代頃の民家をそのまま保存した館内に、鎧・旗・古文書・生活用具などが展示されているとのことだ。庭には樹齢800年のキンモクセイとギンモクセイがあるというが見落としてしまった。

平家屋敷

平家屋敷

 平家(西岡家)屋敷横にある土蔵。建設は屋敷と同時期とある。瓦屋根というのが当時のこの地域では珍しいのだそうだ。

平家屋敷・土蔵

平家屋敷・土蔵

 平家屋敷から大歩危峡に向かう途中で、JR大歩危駅に立ち寄ってみた。平家屋敷のような昔の民家を模しているのか駅らしくない。駅前には小さなロータリーがあり、バス停とタクシーが2台止まっていた。観光地の駅前のような土産物屋の並ぶ光景ではなかった。

大歩危駅

大歩危駅

 大歩危駅からすぐ近くに吉野川が流れており、これに沿って国道32号線が走っている。大歩危峡には遊覧船が出ているというので行ってみた。「大歩危峡まんなか」というところが乗り場だったが、天候が悪かったせいか運行していないという。
 よって、上から写真を撮るだけに終わってしまった。川はやや緑がっかった濁った色であったが、船が通るであろうところの岩の様子は見ることができた。

大歩危峡

大歩危峡

 上流側はやや緩やかな流れとなっていた。

大歩危峡

大歩危峡

 天候が悪く、月曜日ということもあって、ほとんど観光客と思える人には会わなかった。その結果、店などもほとんど閉まっていてどこも閑散としていた。その代わり、景色はどこでも独り占めで、これもまた貴重な経験と前向きに・・・。

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