北海道浜頓別町にあるベニヤ原生花園はオホーツク海とクッチャロ湖に挟まれた辺りで、オホーツク海側に広大な海浜原生花園がある。園内は散策路が整備されており、ほぼ全周を見て回ることができる。荒原、海浜、湿地の植物が揃っており花の種類も多い。特にハマナスとエゾニュウの独特の景色は別世界を模わせるようだった。7月3日に訪問したが、エゾスカシユリやエゾカンゾウなどは終わていたのか見当たらなかった。40年以上前に行ったときには7月11日で、いずれも満開の写真が残っており、地球温暖化の影響か、花期が早まっているようだ。車でないとアクセスが難しいが、バスは稚内と音威子府を結ぶ路線がある。1日かけて行くようになるが、その価値は十分にあると思う。
パノラマ写真がうまく撮れず、写真をつないでみた。ベニヤ原生花園の入り口にある展望台から撮った全景だ。左右に長く広がっており、中央に沼地が、先はオホーツク海になっている。
右下は駐車場になっていて、建物は「花ハウス」というインフォメーションセンターのようなもの。花の情報提供や案内もしてくれるようだ。
原生花園の入口の立て看板
コースの案内がある。長い遊歩道90分、短い遊歩道40分、海まで10分とある。短いコースが最も華やかな所を通るが、時間があればやはり全周して、色々な環境の花々を見たいものだ。
入口から真っ直ぐ海につながる花・花通りという所を行く。エゾニュウの独特な雰囲気が広がっている。この近辺はハマナスが多い。
海岸に向かい小高くなる辺りに黄色い花と、ハマナスが群生していた。黄色い花はセンダイハギかと思ったが、拡大してみるとブタナという花のようだった。
丘を登っていくと海岸線に出る。人もいない、波の音だけが響いていた。
プリンセス通りという、園を海岸線と並行に貫く道を行くと、ノハナショウブやヒオウギアヤメの群生する中を歩くことができる。
園の中にある沼、プリンセス通りはこの細長い沼に沿っていて、湿原植物などが群生している。
プリンセス通りは途中で色々と名前は変わるが、延々と先まで続いている。途中で、シカの糞が落ちていた。他にもシカではない糞や足跡もたくさんあり、出会うことはなかったが、野生動物の生息域なのだろう。
先を進むと独特の形をしたハイマツが見えてきた。この辺りはウグイスの小径という名のようだ。その名の通り、かなり多数のウグイスのさえずりが止めどなく聞こえてくる。この辺りまで来ると折り返し地点になる。
折り返すと、湿地帯に出て来る。この辺りはクガイソウの群生地にもなっているようだ。
先に、入口にある展望台が見えて来る。
一周して見つけた花は次のようだった(7月3日時点)。花種はやや少ない時期だったかもしれない。
交通の便が悪いせいか、人はほとんどいなかった。車やバイクなどで来ている人がほとんどだから、観光バスがいなければ、ほぼ独り占め状態になる。散策路が整備されているので、近くで花々を見ることができる。90分コースは結構歩き甲斐がある。花を楽しむのならエリアで種類が違うのでぜひ全周することをお勧めする。
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