種子島一周(レンタカー利用)

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種子島をバスで回るのは時間的・場所的にも限られてしまうので、レンタカーで一周することにした。前日に到着し、翌朝8時から当日18時種子島空港発で行けそうな所を計画した。島一周で約170kmとのことなので、ただ回るだけでも5時間近くを要する。結果として、西之表港-浦田海水浴場-(メヒルギ自生地)-天女ヶ倉展望台-アコウのアーチ-馬立の岩屋-男淵・女淵の滝-千座の岩屋-種子島マングローブパーク-種子島宇宙センター-宝満神社-宝満の池展望所-七色坂展望所-葡国人上陸の地-門倉岬-種子島空港、の順で一周することが出来た。ただ、坂井神社の大ソテツは場所が分からず見逃し、雄龍・雌龍の岩は時間的に厳しかったので計画はしたが行かなかった。
回ってみて、大変だったのはメインの道は分かりやすいのだが、メイン道路を離れて目的の場所に行くのが分かりづらいという点だった。ナビの性能にもよるのだろうが、私の借りた車のナビでは名称を入れても出てこないところが多く、案内に書いてある住所ではエリア広すぎて場所が特定できなかったり、読み方の違いで見つけられないなど、何カ所かで迷った。また、メインの通りには大きな表示があるもののかなり手前に表示があったり、肝心の曲がり角付近では表示が無く、あっても小さなものであったり、かなり低い位置にあったりして見逃してしまうことも多かった。このため引き返したりするなど探すための時間で結構なロスをしてしまった。
なお、レンタカーは西之表港で借りて空港で戻したが乗り捨て料金は不要だった。ガソリンスタンドは西之表港付近にはあるが、空港付近にはなく、空港に入る前に港か中種子町の中心街で入れて戻すようになっていた。

種子島一周の旅

西之表港(にしのおもてこう)

鹿児島からのフェリーや鹿児島・屋久島からの高速船の港となっている。フェリーと高速船の乗り場は少し離れている。港から500mほどで市街地に入るが、あまり商店らしきものは無かった。サンシード食品館とサンピア食品館というスーパーが日用品を売っていた。

西之表港

西之表港

種子島の歴史を展示した鉄砲館は、市街地の一角にあり、港から10分ほどの所にあるが、開館時間が8時30分から17時までで16時30分で入館出来なくなるため、寄ることは出来なかった。

西之表港の近くに宿泊し、翌朝レンタカー会社へ行く。レンタカーはどこも同じか分からないが、契約をした後は鍵をもらって、レンタカー駐車場という他の会社と共同の置き場に一人で行って指定された車に乗って勝手に出かける。事前の車のチェックなども何もない、若干戸惑ったが、8時30分ごろ駐車場を出発した。

浦田海水浴場(うらたかいすいよくじょう)

「日本の海水浴場88選の一つ。種子島の北端に位置し、入り江の奥にできた砂丘の白い砂浜が美しい」というふれ込みで寄ることに。ところがナビに従って行ったところ、対岸の港に着いてしまった。道路標識はあったのだがナビを信じて、最初から失敗。対岸に海水浴場が見えた。そのまま回り込んで行けそうだったが、諦めて遠景で我慢した。西之表港からは20分ほどだった。

浦田海水浴場

浦田海水浴場

浦田海水浴場側から島北端を望む

浦田海水浴場側から島北端を望む

メヒルギ自生地

島の北端の途中にあるとのことで、向かってみた。今度はナビにも掲示されない。案内では住所が「国上奏」とだけあり、エリアが広くて特定できない。多分、湊川の北岸側と目星をつけて向かったが、川を渡ってしまって気付き引き返し上流側に向かう。途中明らかにメヒルギと思われるものが川岸にあるが、群生をしていない。そのまま行くと、川から離れて行ってしまう。畑の真ん中で諦め引き返した。浦田海岸から引き返すまで25分くらいロスった。メヒルギは南種子のマングローブパークにもあるので、そちらに期待することとした。

メヒルギ自生地を探して

メヒルギ自生地を探して・・・

天女ヶ倉展望所(あまめがくらてんぼうしょ)

メヒルギ自生地の辺りから約35分で到着。それほど急ではないが山登りのコースだ。
高さは237.9mで、種子島の山で、唯一国土地理院の地図に正式に名前が載っている。なお、最高標点を調べたところ、空港の北にある十三番という地名の回峰(まわりのみね)と言う場所が282.4mのようだ。要はあまり高いところのない島の中で山と呼ばれるのがここのようだ。
頂上は、休憩所や展望台などもあったが、頂上が芝のようになっていて山というより、広場といった感じだ。ただ、遮る者が無く太平洋側の田園風景や海の雄大なパノラマを見ることができた。

天女ヶ倉公園

天女ヶ倉公園

天女ヶ倉公園からの展望

天女ヶ倉公園からの展望

アコウのアーチ

天女ケ倉展望所からは後述のロス時間も含めて1時間ほど、ロス時間は10分ほどと思う。
ここも到達するのに迷った。ナビには載っておらず、メイン道路からの曲がり角は分かったが、次の曲がり角が分からず行き過ぎてしまった。結局、近くを一周して戻って見つかった。途中で土地の人に聞いたのだが知らなかった。地元ではあまり有名ではないのかもしれない。
行き方としては、ナビに無ければ、目標は「安城(あんじょう)小学校」(道からは見えない)、近くに来ると道路標識に案内がある。そして、北側から向かってくると「まるえいストアー」という小さな店が左にある。そのすぐ先の角を左折する。そのまま100mほど行くと右に曲がる道がある。そこによく見ると小さな看板が出ていた。右折してまっすぐ行くと100mほどで道路上にトンネルのようになった大木が現れるのがそれだ。
台風によって倒れ、そのまま幹部分から根が出てきて、今の形になったものとのこと、幹の直径も大きいところで1.5メートル以上あるという。
何もないところにこのアーチだけがあるのは一種独特だが、道の両側がうっそうとしていて遠目では景色に溶け込んでしまっている。近づいて初めてその大きさを感じた。そして、確かに「観光地」の様ではなかった。

馬立の岩屋(またてのいわや)

アコウのアーチから約55分だった。
運の悪いことが続き、今回もナビでは見つけることが出来なかった。後で読み方が違うことが理由なのが分かった。およその目標で進んでいたが、途中で75号線が工事中で通行止め。迂回することになったが、どう通ったか分からないまま75号線に戻ったせいか、岩屋への入り口を見落としたらしく行き過ぎていた。おかしいと思い戻って海側に向かう道を探しながら行くと小さな看板が低い位置にあるのを見つけた。反対方向から来ると見えないので止まって、入り口の看板であることを確認。何とか岩屋のある海に向かうことができた。

海岸が砂利なので車で降りることができる。馬立の岩屋は犬城海岸にあり大きな海食洞窟。大きな岩に洞窟があり、中には入れないが、近づくと入口から先に海が見え波の音が聞こえ迫力がある。また、岩屋だけでなく、反対方面にも巨岩があり美しいところだ。馬立の由来は案内によると「修験道の犬神使いであった第10代種子島藩主、種子島幡時(はたとき)がこの洞穴で修業中に忽然と姿を消し、彼の愛馬だけが洞穴の前で主人の帰りを待っていた」ことにちなむ、とある。

馬立の岩屋

馬立の岩屋

馬立の岩屋の洞窟内

馬立の岩屋の洞窟内

馬立の岩屋の反対方面

馬立の岩屋の反対方面

男淵・女淵の滝(おぶち・めぶちのたき)

馬立の岩屋から20分ほどで着いた。
馬立の岩屋から75号線を進むと、増田宇宙通信所の看板と建物があり、そこを越して信号のある四つ角があり、その角に標識があった。右折して道なりに進むと、男淵・女淵の滝がある。
妙に駐車場が広い。滝というので山があるのかと思い林の中に入る。道は平坦で右手に川がある。どこに滝があるのか分からず、まっすぐ行くと100mほどで突き当たりとなる。それで途中の段差が滝と分かり戻る。男淵・女淵の滝は、2連の滝がつらなる小さな滝で、上流が幅4m、高さ4mの男淵の滝、その3mくらい下流に幅5m、高さ5mの女淵の滝とのこと。島の高低差が少ない種子島では滝が珍しいだそうだ。
たまたまかも知れないが、だれもいなかったせいもあり、道からわずかに入ったところだが、うっそうとした林と、暗い中、見下ろす場所にある滝の雰囲気は山奥にいるようで神秘的なものがあった。

男淵の滝

男淵の滝

女淵の滝

女淵の滝

千座の岩屋(ちくらのいわや)

男淵・女淵の滝からは30分弱であった。
浜田海岸というところにあり、海水浴場の一角だ。海蝕洞窟で、中には千人が座れることから千座というのだそうだが、何故「ちくら」と読むのかは不明だが、座はすわる場所・地位を示し「くら」のことと辞書にあったので、その辺りか?海岸に向かうと、左側に駐車場があり、その先は両側を岩に囲まれた道が続いている。海が見えないので、そのまま進んだら砂浜に出てしまった。砂場に入ったら立ち往生しそうなので、砂場の手前に左折する舗装道があったので、進むと駐車場に戻った。素直に駐車場に入れば良かった。時間を無駄にしてしまった。
駐車場から歩いて海岸へ、海水浴場になっていて、人がいないせいで目的の千座の岩屋がどれか分からない。右手に大きな岩があるので行ってみる。海と反対側に回り込むと洞窟があった。これがそうだった。
洞窟は二つあり、中に入れるのは干潮時のみのようだ。洞窟の中からは海が太陽に輝き美しく見えた。なお、珍しさでは洞窟だが、美しさではこの海岸の美しさもひけを取らない。

千座の岩屋の一方の入口

千座の岩屋の一方の入口

千座の岩屋の一方の内部

千座の岩屋の一方の内部

千座の岩屋の他方の入口

千座の岩屋の他方の入口

千座の岩屋の他方の内部

千座の岩屋の他方の内部

マングローブパーク

千座の岩屋からは比較的近く15分ほどで着いた。大浦川の河口より1kmほど上流の河川沿いにある。種子島はマングローブ自生地としては日本の北限だそうだ。林の中に木道があり、マングローブの根元付近の観察や川沿いまで近づける。時間次第だがカヌーで回ったりも出来るようだ。

種子島宇宙センター

マングローブパークからは20分弱
総面積約970万平方メートルの日本最大のロケット発射場。ロケット発射場の先は種子島東南端の海岸線で施設に入ったところから見渡せる。宇宙科学技術館では、ロケットや人工衛星など宇宙開発におけるさまざまな分野での展示があり、全部を見たら結構な時間が必要だ。残念ながらあまり時間的余裕がなかったので、一周して退散となった。
センターの駐車場からさらに奥へ進むと右手海側に竹崎展望所がある。ロケット発射の時のマスコミ用の展望所とのことだ。今回寄らなかったが、発射場の全景や海の景色が堪能できそうな場所だ。

宝満神社(ほうまんじんじゃ)

宇宙センターからは15分ほどで到着。道の反対側には種子島赤米館という赤米にまつわる民族行事などを紹介しているとのこと。
宝満神社は駐車場は無いようなので入り口付近に止めて参拝した。入り口の鳥居から、やや低い木が覆っており、まっすぐ続く参道は結構長い。突き当たりで右折する所に鳥居があり、そこに謎の石造物と称するものがあったが、皆目見当がつかない。さらに進むと右手に本殿の鳥居がある。本殿の左手は宝満の池が目の前にある。森に覆われた池で聖域となっているという。もの悲しい雰囲気があり人がいないせいか神秘的にも見える。

宝満神社 本殿

宝満神社 本殿

宝満神社からの宝満の池

宝満神社からの宝満の池

宝満の池展望所(ほうまんのいけてんぼうしょ)

宝満神社から門倉岬方面に向かう途中に宝満の池展望所がある。神社からは5分もかからないところで、丘の上から見下ろすように池を望むことができる。

宝満の池展望所から

宝満の池展望所から

七色坂展望所(なないろざかてんぼうしょ)

門倉岬に向かう途中にあり、宝満の池展望所からは10分程度。水田、防風林、 前之浜海岸を一望できる。遠くにロケット発射台とおぼしきものも見えた。海岸の景色は絶景だ。ここからの景色が一日に7回変わるということで付いた名とのこと。

葡国人上陸の地(ぽるとがるじんじょうりくのち)

七色坂展望所から200mぐらいのところで門倉岬方面に左折、300mほど進んだところに、看板が出ている。ただ、道は細く無舗装の急坂を下ったところに階段があり、そこからは歩いて海岸に降りていく。途中に記念碑がある。天文12年(1543年)8月25日、台風の直撃を受けた南蛮船が、門倉岬の海岸に漂着し、異国人が種子島に上陸をしたところで、鉄砲伝来の歴史の地だ。海岸まで降りることが出来る。
ただ、結構階段が急で長いので注意が必要。

門倉岬(かどくらみさき)

上陸の地からは200mぐらいのところに駐車場がある。後は歩いて岬先端まで行く。
門倉岬は種子島の最南端にある。岬の入り口には、その先にある御崎神社の入り口を示す鳥居とその横に鉄砲を構える人の像が立っている。岬に下っていくと、岬の全体としては公園として整備されているようで、御崎神社はやや高いところに海に向かって建っている。
岬から見る海は遮るものがなく水平線を見渡せる。

門倉岬にある船形の展望所

門倉岬にある船形の展望所

門倉岬入口 御崎神社の一の鳥居と鉄砲を構える人

門倉岬入口 御崎神社の一の鳥居と鉄砲を構える人

門倉岬 御崎神社

門倉岬 御崎神社

門倉岬からの展望

門倉岬からの展望

門倉岬を出る時にほぼ16時になるところだった。門倉岬から種子島空港には最短で約35kmで1時間ほど、18時の飛行機には若干余裕があったので、少し遠回りをして、島の西側の海岸線沿いに出て屋久島を車窓から見て、坂井神社の大ソテツに寄って帰ることにした。距離は約42km、1時間半ほどと見積もった。

屋久島展望

西の海岸はすぐと思ったが、見えるまで結構時間がかかった。結構内陸部を通るのと防風林だろうか、海との視界を遮っている。しかも、後で気付いたのだが、南から向かうと進行方向の左後ろに屋久島がある。運転していると全く視界に入らない。やっと海岸線に出て見ることが出来た。ちょうど太陽が屋久島の方に出ているため、かすんだ感じだ。写真も逆光になってしまった。

屋久島を望む

屋久島を望む

この後、県道75号線から国道58号線に入って空港方面へ向かう。ナビでは見つけられなかったので、この途中で坂井神社というところがあり、大ソテツがあるはずということで、注意して走っていたが、行き過ぎて中種子の町に入っていた。戻ろうかとも思ったが、11月で日も落ち気味であったため、諦めてそのまま進むことにした。

中種子の町は結構、市街化していた。レンタカーの給油のガソリンスタンドはAコープ中種子店の前が指定されていた店のひとつで分かりやすいので寄った。レンタカー会社に指示されたのは、ここで給油したら電話するようとのこと。電話をしたところ、空港のレンタカー置き場に、ガソリンスタンドでもらった満タン証明を車の中に入れてそのまま鍵をかけずに置いて行って良いとのこと。

中種子の町から空港までは10kmほど、空港に予定より早く17時頃に到着し、種子島一周の旅を終えた。

まとめ

朝8時にレンタカー会社に行ったところから全て含めて9時間で一周したことになる。予定よりは若干早く戻ったが、必ずしも余裕のある工程ではなかった。大きな問題は目的地をスムーズに見つけることが出来なかったことである。地図アプリで一応調べては行ったのだが、ナビに必ずしも載っているわけではないことや、案内看板があっても見逃してしまうような小さなものだったり、車の目線では見にくいところがあったりで、何度か行き過ぎたり、迷ったりもした。このためのロス時間は結構あったような気がする。途中スマホの地図情報で何とかたどり着いたところも多く、ナビより情報は多かった。
種子島の道路は走りやすい。時期にもよろかもしれないが車の数も多くなく渋滞は無かった。駐車場も整備されているところが多く、駐車に困ることもなかった。運転もあまりスピードを出している人もいなかったので安心して運転できた。
時期のせいだろうか、観光地という感じがなく、静かで、お土産屋さんのようなものもほとんど見かけなかった。そういう意味では、自然を感じに行くには最適かも知れない。また、なんと言っても海がきれいだ。どの海岸に寄っても水がきれいと言うだけでなく、砂浜にしても、岩場にしても風光明媚という言葉がピッタリの場所と思った。

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