今や高知の観光名所の代表のひとつになっている「にこ淵」を訪ねてみた。仁淀ブルーという言葉に魅かれ室戸岬に向かう前に寄り道をしてみることにした。
場所は高知県の中央北部にあり、伊野町清水程野(きよみずほどの)という所にある。仁淀川の本流は愛媛県の久万高原で石鎚山を源流とする面河川となる。総延長124kmの清流で、四万十川、吉野川と並ぶ四国三大河川のひとつだ。なお、この「にこ淵」は高知県内にある「枝川川(えだがわがわ)」という仁淀川の支流のひとつの上流部にある滝つぼだ。国道からはそう遠くない所だが、この淵が有名にならなければ、人も訪れることもない秘境とも言える所だったのだろう。川も人目に付かないところを流れており、未だに清らかな水のままで、仁淀ブルーを醸し出している。
にこ淵への道のり
高知から向かうと、国道33号線を西に、伊野町で国道194号線を北上していくと、「グリーンパークほどの」という看板がある。そこを右折して、町道の細い道に沿って進むと、ほどなく左側に駐車場がある。そこから、歩いてさらに進むと、左手に「にこ淵」の看板と、階段が見えてて来る。この階段を下りれば「にこ淵」に着く。昔はこの階段の途中にロープを伝って降りるような所もあったそうだが2020年4月に下まで階段が整備されたので、容易に辿り着くことができる。
車では、高知駅前から50km弱、1時間10分ほどの行程になる。
下の写真は「グリーンパークほどの」への入口の看板。左の道が国道194号線、右がにこ淵へ向かう町道。
駐車場は、何の前置きもなく現れるので、注意しないと行き過ぎてしまいそう。このすぐ上にも、もうひとつ駐車場があったが、にこ淵に降りる階段のところには駐車場は無いので、ここで止めて歩いて行く、階段までは100mもない。
道路を歩いて行くと、先に「にこ淵」への矢印が書かれた看板がある。ここから結構急な階段が続いている。昔は下までつながっていなかったようだが、今は下まで階段が続いている。
階段を下りきると、目の前に滝と仁淀ブルーと呼ばれる滝つぼに出る。滝つぼは特に囲いなどがあるわけでもなく、足元、目の前に「にこ淵」がある。まさに絶景だ。
ただただ、静寂の中に滝の落ちる音だけが聞こえ、透き通った水が光の当たり方でその色を刻々と変えているのを見ていると心が洗われる。今や観光地のひとつとなってはいるが、その雰囲気は全くない。
いくつかの写真を載せておく。ただ、これが本当の仁淀ブルーの色なのかは分からないが、そんなことは気にもかからないほどの美しさだ。
さて、遅ればせながら、にこ淵の案内板を載せておく。注意事項やトイレの場所なども記載されている。気になったのは「笑淵」と書いてある。中国語とかの対応だろう。にこ淵の「にこ」は笑顔のことなのだろうか。ますます名前の由来が分からなくなってしまった。
仁淀川の沈下橋 (名越屋(なごや)沈下橋)
伊野駅からにこ淵に向かう国道194号線は仁淀川に沿って走っているが、その途中に沈下橋の看板が出ていたのでにこ淵の帰りに寄ってみた。
仁淀川の最も下流にあるとのことで、その分、川幅も広いので、橋の長さも仁淀川の沈下橋(6つあるそうだ)の内で一番長いという。
橋の下に降りることができたので、川岸から橋を見ることができる。ちょうど軽トラックが通って行った。まさに生活道になっている。車は1台しか通れないが、途中に一応待避所が付いている。
海まで約20kmという下流なのに、水はあくまでも透き通っていた。
沈下橋から、上流・下流の風景を見ることができる。増水しなければ、なんと穏やかな流れなんだろう。町から近いというのに、全くの別世界を感じることができる。
まとめ
「にこ淵」には仁淀ブルーの名に魅かれ、予定を変えて急遽訪ねてみたが、行った価値は十分にあった。太陽の光線の加減で色が異なるようなので、本当に仁淀ブルーを見たのかは分からないが、その水の清廉な美しさ、そして、自然の音以外感じることのできない場所に立つと、そこが神聖な場所として扱われていることが良く分かる。これからもその情感の残る淵であり続けて欲しいと願うばかりだ。
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