霧多布湿原の原生花園

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霧多布湿原を訪ねました。霧多布は霧の日が多いと聞いていたので名前の由来かと思いきや、アイヌ語のキタㇷ゚(茅を刈るところ)からきたとのこと。
面積:約3,168ヘクタール、南北:約3~4km、東西:約9kmもある広大な湿原。ヨシやスゲ、ハンノキの間に「ヤチボウズ」がボコボコと並ぶ低層湿原、春から秋まで次々と色とりどりの花が咲き競う「花の湿原」・・・という案内に憧れて向かったのですが、9月初旬という時期では、すでに時期過ぎていて花の種類はあまり多くなかったが、眼前に広がる湿原の展望には圧倒されました。

訪れた日は台風が日本縦断している最中で、まだ台風自体は本州にあったものの、雨が降り始め、風も強くなり、あいにくの天気となってしまいました。

霧多布へは野付半島を回った後に向かいました。野付半島からは距離にして約90㎞、1時間半ほどで、霧多布湿原センターに到着。
天気が悪かったせいもあって、訪問者は誰もおりませんでした。

霧多布湿原センター

霧多布湿原センター

センターでは、湿原の成り立ちや津波の地層展示などあり、霧多布湿原を一望できる展望台やカフェもあり軽食も出していました。

取りあえず、センターの近くを散策することにして外に出てみました。
出ると、すぐに「やちぼうず木道」という立て札。センターから下ると自動車道路に突き当たり、その先が木道だったが、雨がひどくなってきたので、途中までで断念。

やちぼうず(谷地坊主)

やちぼうずとはスゲ類の株が、冬に土が凍結することで株ごと隆起し、春先に雪解け水などで株の根元の土壌がけずり取られ、隆起した株の部分だけが残ったもので、年々成長していくとのこと。

この後、お花畑が残っていることを期待して、別の木道に行ってみることにしました。
案内によると、霧多布湿原に3つの木道があります。
①やちぼうず木道(1週250m・約15分)
②琵琶瀬木道(片道500m・約20分)
③仲の浜木道(片道700m・約30分)

やちょぼうず木道はセンターの近くだが、他2つはセンターから見て、湿原の反対側にあります。琵琶瀬木道と仲の浜木道はどちらも「霧多布湿原ナショナルトラスト」の建物を起点にしており、道路に直角に琵琶瀬木道、道路に沿って仲の浜木道となっています。いずれも木道から花々を見られるようになっていました。

9月最初でしたが、既に花の盛りは終わっていたようでしたが、そこここに季節の花を見ることが出来ました。天候が悪く奥まで行きませんでしたのが、以下のような種類の花が咲いていました。

なお、案内によると花の季節は以下のようです。
ミズバショウ、白(6月)
クロユリ、濃紫(6月)
ワタスゲ、白い綿毛は実の時期のもの(6~7月)
ヒメオウギアヤメ、青紫(7月)
エゾカンゾウ、黄色(7月)
ノハナショウブ、赤紫(7月)
ハマナス、赤(7月)
エゾリンドウ、青(9月)

ナショナルトラストから湿原の反対側は海で、島が見えました。地図からは嶮暮帰(けんぼっき)島と思います。無人島で、かつてムツゴロウさんが住んでいた島だそうです。

ナショナルトラストから嶮暮帰(けんぼっき)島を見渡す

ナショナルトラストから嶮暮帰(けんぼっき)島を見渡す

湿原を後にして、霧多布岬に向かいました。ナショナルトラストからは琵琶瀬湾を隔てて対岸になります。

ナショナルトラストから霧多布岬遠景

ナショナルトラストから霧多布岬遠景

トラストセンターから約15分程で岬の車両進入禁止のところまで来ました。駐車場があり、霧多布展望台のある駐車場より先の所になります。岬の先までは歩いて湯沸岬灯台までは歩いて行けそうです。

この湯沸岬灯台は日本ロマンチスト協会なるものから「恋する灯台」という認定をされているとのころ。確かにロマンチックですね。

・・・えっ、なんで湯沸岬灯台?と思って、国土地理院の地図を見ると湯沸岬(霧多布岬)となっていました。湯沸岬が正式名称なんですね。

国土地理院地図(湯沸岬)

国土地理院地図(湯沸岬)

まとめ

台風の接近ということで雨風の強い中だったので、いくぶん端折って回ることになってしまいましたが、ほとんど人に会うことがなく広大な霧多布湿原を独り占めできたのは、むしろ、またとない機会でした。
季節ごとの趣があり、一面の湿原の中に入れば大自然に覆われた雰囲気は心を洗われる感があります。今回は寂しげな趣を受けましたが、花の時期には華やかな景色を想像するに難くないと思います。季節を変えてまた来てみたいところのひとつとなりました。

なお、交通の便はあまり良いとは言えず、路線バスでは日に3往復程度しかなく、移動距離もそれぞれが長いので、宿泊を考えた方が良いかもしれません。後はレンタカーになってしまいますが、宿泊施設や湿原センターでもツアーがあるようですので詳細は確認してください。

 

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