恵山~汐首岬 下海岸
恵山から国道278号線を進むと、途中で道道41号線と交差する。41号線を海岸方向に入ると、海岸沿いの路に出る。途中で道が細くなるが、退避できる場所もあるので通行は問題ない。ただ、海岸沿いの昔からの道路なので、高波などで通行止めになることもあるようだ。途中まで人家があるが、先は海と岩に挟まれた道路となっている。
サンタロナカセ岩
道道41号線に入って、人家のある辺りを抜けた先にある。大きなカーブとなっている所に尖った大きな岩が海に突き出している。サンタロナカセ岩はこの岩の先に見えるふたつの岩のようだ。
サンタロナカセ岩とは、函館市のブログの説明によると、「この地に『三太郎』という名の漁師と息子夫婦が3人で仲良く暮らしていました。そんなある冬の日、三太郎の息子が『たら漁』に出かけると海は大しけとなり、三太郎の息子は戻ってきませんでした。三太郎とその息子の嫁は、来る日も来る日も海をにらみ泣き続けました。こうして春になったある日、二人は岩になっていました。そして、いつの頃からか、この岩のことを『佇(た)て岩』と呼び、二人が立っていた海辺を『三太郎泣かせ』と呼ぶようになりました。」とのことだ。
そんな荒々しい海だが、静かなときは透き通って美しい。
岩を通り越して反対側からも見ることができる。
道南金剛
函館市指定文化財となっている道南金剛とは、昔の採石場の跡に残った断崖絶壁で、いわゆるマグマが冷えて固まった時にできる柱状節理の断崖だ。岩の種類は「安山岩質の凝灰角レキ岩」とあった。恵山側から車で行くと、コンクリートの壁が連なっており、見上げるような角度で後方に現れるので、気を付けていないと見逃してしまいそうだ。
柱状節理の様子がうかがえる。階段状になっているのは採石の跡と思われる。
日浦洞門
道南金剛を少し進むと、大きな岩盤が海にせり出している。そこに、日浦洞門がある。要はトンネルだが、岩を手彫りしたものが、7つ続く。遠くから見ると筒のようなものが飛び出して、違和感を覚えるが、これは後に補強として作られた物のようだ。1929年(昭和4年)の開通とある。
トンネル内は車1台が通れるほどで、すれ違いはトンネルの外に退避場所がある。路線バスも走っている現役の道路と言う。昔は函館方面から恵山方面には海岸線伝いに道を作るしかなかったのだろう。現在は278号線に山を貫くトンネルが出来ている(国道278号線サンタロトンネル)。
日浦岬
恵山より41号線を通って函館方面に向かうと、41号線と278号線が合流する。合流点の右側にすぐサンタロトンネルの入り口がある。合流点を左折し278号線に入る。そして次のトンネル(日浦トンネル)に入るすぐ手前に再び、細い道が左側にある。その道を突き当りまで進むと、左に直角に曲がる場所がある。ここが日浦漁港の端になり、日浦岬の道路の先端部にあたる。ここで車は行き止まりだが、この先海岸方向へ細い道が道路を一段上がったところにあり、その先の階段を登ると灯台へと続いている。ただ、途中の橋の所で立ち入り禁止になっているので灯台までは行けない。
なお、柱状節理の景観は道路からも十分に見ることができる。
日浦岬から恵山方向の海を見ると、国道41号線が海岸線に沿って走っているのが見える。小さくではあるが、日浦洞門、道南金剛、遠くに恵山も見える。
旧戸井線コンクリートアーチ橋
日浦岬から函館方面に向かったが、その途中に旧戸井線のコンクリートアーチ橋があるということで、立ち寄ってみることにした。位置的には汐首岬の先端に近い道路の山側にある。特に標識や看板が見当たらないので、山側を見ながら行くと現れる。
なお、国道は結構車が走っており、停車はしにくい。橋の前あたりで、細い道が国道に沿ってあるので、その入り口辺りに車を止めさせてもらったが、生活道路なので注意が必要だ。
戸井線は1936(昭和11)年着工、戦時中の17年に中断し、結局未完成の鉄道とのこと。見上げるような所を走っている。
ついでながら、アーチ橋から見ると恵山側に少し行ったところにもアーチ橋のようなものがあったが、これはまだ新しいもので、別物のようだ。念のため。
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