根室半島一周

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根室半島の先端にある納沙布岬は離島を除けば日本の本土最東端であり、「朝日に一番近い街」がキャッチフレーズです。北方領土のひとつ歯舞諸島に近接しており、戦後問題が未だあることを改めて深く感じさせられました。また、北方原生花園では訪れたのが9月初だったため花の盛りは過ぎていましたが、広大な北海道の地を彷彿させるものがありました。
根室駅から納沙布岬まで直線で20㎞ほど、岬を一周すると約50㎞で、今回はレンタカーで回りましたが、観光含めて約2時間ほどのコースでした。

 

前日、釧路に泊り、5時35分、始発の根室本線・花咲線で根室へ、1両編成のワンマン・ジーゼル車で135㎞の距離を約2時間半をかけて走ります。

根室 釧路発根室行ジーゼル車

釧路発根室行

途中何度か減速・停止をするので何かと見ていると、エゾシカが、線路の周りや上にいて、その度にやり過ごしていたのでした。線路にエゾシカがいるというよりは、エゾシカの生息地に線路が通っているということなんでしょう。

8時1分に根室駅に到着。
ちなみに根室駅が最東端の駅ではなく、ひとつ手前の駅、東根室駅から根室駅に向かって西に戻っているため、最東端は東根室駅なんですね。駅名に東が付いているのも納得です。

根室 根室駅

根室駅

根室の繁華街は駅の北側の根室港に近い辺りのようで、駅前は少し寂しい感じでした。駅前にはコンビニはなく、「クリエ」というスーパーがありました。朝は開いていませんでしたが、帰りに寄ったところ、生鮮食品や生活用品が揃っており、弁当・おにぎり・パン、お酒などもありました。

地図を見ると、駅舎より先に「根室本線終点の地」があるというので行ってみました。駅より5分ほど歩いたところに、終点の地がありました。写真では看板が見えるだけですが、終点にはレールを曲げた車止めがあるようです。残念ながら雑草で覆われて見えませんでした。

根室 JR根室本線終点の表示

JR根室本線終点の表示

さて、レンタカーを借りて出発です。
注意事項の説明で、「とにかく鹿には注意して下さい」と言われました。鹿が道路に飛び出して事故を起こすことが多いとのこと、体格のいい鹿が多いので、結構、被害を受けるようです。
鹿と衝突したら事故扱いなので、警察への連絡と出発したレンターカー会社へ連絡をするように言われました。・・・緊張します。

8時45分ごろ出発。

道路は街中を出ると信号もほとんどなく、真っ直ぐな道が続くので走りやすいですが、さすがに、いたるところに鹿注意の看板があります。

駅側から向かって、半島を反時計回りに回るルートに入りました。右側に海を見ながらの快適なドライブです。

約30分ほどで、納沙布岬に到着です。
残念ながら、灯台までは進入禁止になっていたので、望郷の岬公園の周辺を散策しました。

根室 納沙布岬遠景

納沙布岬遠景(灯台)

望郷の岬公園のモニュメント

ここに来ると、否が応でも北方領土を思い起こします。この公園内に北方館・望郷の家という国の施設があり、北方領土関係の展示と展望台がありました。

根室 納沙布岬 北方館

納沙布岬(北方館と望郷の家(奥))

改めて北方領土を思い起こすため、政府掲載の地図で確認してみました。

根室 北方領土地図

北方領土地図

一番近いのが、納沙布岬から歯舞諸島の貝殻島で3.7km、水晶島が7㎞ということで、よく見ると貝殻島の灯台、水晶島らしき島が見えたので写真を撮ってみました。曇りで視界が悪かったのですが、ボンヤリと映っていました。

根室 貝殻島と水晶島

貝殻島と水晶島

こんなに近いところに戦後の未解決問題がまだあることを改めて実感しました。

さて、次は根室でもう一つの目的地にしていた北方原生花園へ向かいます。
途中で、歯舞漁港があるとのことで、ちょっと寄ってみました。

港だから何か有るだろうと思って寄ってみましたが、時間が遅かったのか台風が近づいていたせいか、すこし閑散としていて、もの悲しさを感じました。
後で知ったのですが、近くに「温根元チャシ跡」という遺跡がありました。16~18世紀のアイヌの砦の跡ということで、日本100名城の1番目になっていました。見晴らしの良い草原にあるので景色も良さそうです。行けなかったのは残念でした。

さて、その後、北方原生花園へ向かいましたが、納沙布岬から車で約20分ぐらいでした。
原生花園までの途中の景色は草原が延々と続いている感じです。原生花園に着く前に、馬の放牧地だったのでしょう、馬が群れていました。

根室 北方原生花園の放牧馬

北方原生花園の放牧馬

北方原生花園に到着です。誰もいません。9月の最初でしたので季節が過ぎてしまったせいか、独り占めです。

根室 北方原生花園

北方原生花園

入り口には戸が付いており、放牧した馬が逃げないようにしているので開け放しにしないようにとの注意書きがありました。

中は木道(2㎞とのこと)が続いており、そこを歩くだけなので、30分ほどで1週できるぐらいです。

花は残念ながら盛りを過ぎてしまい、見つけたのは以下のようなものでした。

以下は根室市観光協会による北方原生花園の紹介です。

引用ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

75ヘクールの広さで6月下旬~9月上旬にかけて約100種類の花々が咲き誇る日本最東端の原生花園です。
なかでも草原一面を紫に染め上げるヒオウギアヤメ群落と根室特有の海霧がかった風景は幻想的!
園内には雑草駆除の為、ポニーが放牧されており、見る人達の目を楽しませています。
●根室市内から約12km
●車で約20分 ※バス停留所はございません。お車やクシーをご利用ください。
●公衆トイレあり(5月~11月まで)
●散策路約2km
☆オススメのお花
6月下旬~7月上旬にかけて咲くヒオウギアヤメ、ワスゲの群落
☆市指定天然記念物「ミズナラの風衝林」
背丈が低く盆栽のような形の細い木々。 1年を通して北西から強い風に吹かれ枝を伸ばせず、珍しい形になっています。
☆他の草花☆
ミズバショウ、ハマナス、 チシマフウロ、クロユリ、ハクサンチドリ 、ノハナショウブなど

以上、根室市観光協会資料より

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー引用終わり

さて、その後は北方原生花園と別れて、帰路に着きました。
根室駅周辺に戻ったのが10時30分過ぎになりました。
私は次の目的地、野付半島へと向かいました。

まとめ

お花目当てであれば、6月下旬から8月でしょうか、北方原生花園の目玉のヒオウギアヤメは7月上旬までのようです。半島には特別なスポットということでは、あまり多くはありませんでしたが、半島一周を海と草原の丘陵に囲まれて走るのは解放感がありました。一周するだけでも価値はあると思います。今回はレンタカーでしたが、遊覧バス(ノサップ号)が夏場は出ているようです。
そして、やはり印象に残ったのは納沙布岬で、身近に歴史と世界を感じる場所であり、同時にオホーツク海の独特の色合いと相まって異郷を感じることができました。

 

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