北海道様似郡にあるアポイ岳ジオパークの日高耶馬渓エリアと様似海岸エリアを回ってみた。ほぼ海岸沿い走る国道336号線に沿ってポイントがある。
日高耶馬渓エリア
冬島の穴岩
国道沿いに冬島漁港があり、漁港の建物をぐるりと回った一番奥に大きな岩がある。岩の高さは9mほどで、人が通れるほどの高さの穴が開いている。現在は漁港にするために埋め立てられているが、元は9mほどの大きな穴だったそうだ。そしてその穴は波によって開けられたものということなので、この岩は本来は15mぐらいの大きな岩として波打ち際にあったということになる。また、岩の上の面が平らになっているのは、そこが昔の波打ち際で、長い年月に隆起して現在に至っているとのことだ。国道や港が無かったころの景観は想像するしかないが、岩と荒海に阻まれながら歩くような難所であったのだろう。
大正トンネルの花こう岩類
様似側から行くと、琴似覆道の次の山中トンネルの手前の右にある海側の道に入る。その先にトンネルが見える。トンネルの名前は山中第二隧道となっているが、どうやらここが大正トンネルのようだ。ちなみに、このトンネルの横の岩にも手彫りのようなトンネルがあり(写真の建物のある辺り)3つのトンネルが海から古い順に並んでいることになる。すなわち、今通っている道が大正時代のもので、海側に明治時代、山側に昭和時代となっているということだ。
さらに進むと、山中覆道があり、その周りは大きな切り立つような岸壁になっている。
この先を行くと、先ほど脇にそれた山中トンネルの中に入っていく。トンネルの中の交差点だ。右折も左折も出来る。トンネルの中に鏡があるだけで、他に表示が無いから注意が必要だ。
日高耶馬渓の奇岩と海の景観は美しかったのだが、ジオパークとしての岩については勉強不足で行ったため、実のところ何がすごいのか、いまいち理解しきれないでいる。事前に調べるか、ツアーに参加するともっと面白いのだろう。
様似海岸エリア
エンルム岬
様似駅から国道336号線を西方面へ進むと、海側に大きな島のようなものが見えてくる。それがエンルム岬で、最初の信号のある交差点を左折するとY字路があり、旅館関白という建物がある。そこを左折すると、すぐに右に細い登りの道がある。エンルム岬の矢印もあるが、そこを登ったところが、駐車場になっている。
昔はひとつの島だったようだが、砂の堆積で陸続きになったとのこと。ここからえりも岬方面や様似の海岸を展望することが出来る。
次の写真の右がエンルム岬の先端。左側から中央にかけてえりも岬となる。えりも岬の先端側から左に、アポイ岳、吉田岳、ピンネシリの山々が見える。
エンルム岬から様似漁港側を見ると、漁港の中に突き出している岩がソビラ岩、その先に親子岩、ローソク岩、塩釜という岩石群が並んでいる。真ん中の小高い山が観音山でこの後に行く。
この駐車場からさらに上に登ることが出来る。
上まで登っていくと、埋蔵文化財包蔵地「エンルムチャシ跡」となっていた。チャシとはアイヌ語で「砦」のことなので、アイヌ時代にはここは海の見張り場だったということだろう。
なお、一番上まで登れなかったので眺望はあまり良いとは言えない。
観音山
エンルム岬から陸側の対岸にある小高い丘で展望台になっているということで行ってみた。エンルム岬から同じ道を戻り国道336号線を西に向かうと次の信号が「本町2」、その信号を過ぎてすぐ右側に登り道がある。その突き当りのお寺を左折すれば、後は道なりで観音山の頂上に着く。
展望台に上ると絶景だ。港を中心に海を見渡せる。
やや左側にエンルム岬が見える。
展望台のまっすぐ前が港で、そのど真ん中にソビラ岩という岩がある。
やや右に目をやると、親子岩。三つの岩が並んでいる。大きい順に父、母、子と見立てているそうだ。
さらに右の陸側に、海に突き出しているのがローソク岩、陸側の岩に塩釜トンネルが通っている。塩釜とはこの近くに北海道最初の製塩所があったことに由来している地名だそうだ。
様似海岸エリアは、岩に不勉強な私でも、海の絶景や、岩の姿の面白さなど素直に楽しめた。
なお、観音山は隠れスポットのようで、非常に景色の良い所だった。ただ、近くがカラスの住家になっているようで、ずっと威嚇されてしまった。
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