函館駅周辺

スポンサーリンク

函館北斗から札幌に向かう予定だったが、札幌の到着時間を遅らせて、函館を散策してみようと、急遽、函館北斗駅から函館に向かった。3時間半ほどではあっが、駅周辺を一回りした。もちろん五稜郭など足を伸ばすことは出来なかったが、思いのほか、函館駅周辺に見所が多く、時間が短くても雰囲気を味わうことが出来た。函館-札幌間は比較的交通の便が良く、遅くまで列車があるので、少し余裕があれば乗る電車の時間を変更して、ちょっと寄ってみるのも楽しいかもしれない。

12時51分函館に到着、これから函館発16時37分(札幌20時33分着)の間、約3時間半ほどの早周りだ。特に計画をしていなかったので、案内地図で行けそうな所を時間を見ながら回ることにした。

函館駅

函館駅は函館本線の起点であり、旧函館線の0マイルの記念碑がある。今では、新幹線が函館北斗駅止まることになってしまったが、やはり北海道の一大拠点の趣がある。

函館駅

函館駅

函館本線0マイル記念碑

函館本線0マイル記念碑

函館山

函館に来て函館山は外せないだろうと思い、バスの時刻表を見ると、函館山直通のバスが出ていた。直通は本数が少ないのでラッキーだったが、直通が無くても函館山ロープウエイ方面は比較的多く出ている。直通より時間はかかるが、山麓駅まで行ってロープウエイでも登れるので便利だ。
函館山と言えば100万ドルの夜景ということで、昔、見に行ったことがあった。夜は有名だが、昼間はどんなものだろうかと思っていたが、思いの外、というより、昼間の函館山からの景色も絶品だ。海の青に囲まれた景色は夜とは違う美しさがある。
函館山展望台から見て、左側が港や駅のある方向だが、右側をあまり気にしたことがなかった。町中から家並みが続いているが、海岸線は砂浜となっているような気がして、この後、時間があれば行ってみたいという衝動に駆られた。

函館山からの景観

函館山からの景観

函館山から駒ケ岳を臨む

函館山から駒ケ岳を臨む

ロープウエイ山麓駅~港へ

函館山からはロープウエーで下山。ロープウエー山麓駅の周辺に教会や歴史的建造物がそこここにある。ゆっくりと中を見るほどの余裕は無かったので、立ち寄る程度になったが、わずか500mぐらいの距離の中にも、いくつもの立ち寄りスポットがある。

函館ハリストス正教会

山麓駅から西の方向へ行くと、すぐに函館ハリストス正教会の白い建物と尖塔が見えてくる。
ギリシャ正教の流れをくむ日本正教会で1860年の建造とある。日本で最初の正教会の聖堂だそうだ。「桜田門外の変」の頃だから幕末に近づいている頃の建物だ。ロシアの様式なのだろうか一風違った趣がある。

函館ハリストス正教会

函館ハリストス正教会

旧函館区公会堂

そのまま真っ直ぐ進むと、旧函館区公会堂がある。
1910年(明治43年)に開堂式とある。大火によって焼失した町会所を立て直したものとのこと。現在の公民館とはレベルも用途も違うのだろうが、西洋建築を取り入れた日本人による建造物で、当時のモダンの最先端を行く建物だったのだろう。

旧函館区公会堂

旧函館区公会堂

元町公園

その正面に、元町公園がある。
公園そのものは、よくある整備された公園の趣だが、裏には旧函館区公会堂が函館山を背景に際立っている。表は函館港が見渡せ、中には旧函館市庁庁舎や、書籍庫、函館奉行所跡など史跡が多く残っている。

元町公園から函館山側

元町公園から函館山側

旧イギリス領事館

元町公園から北に向かい函館駅方向に歩いて行くと、途中に旧イギリス領事館が現れる。
現在の建物は1913年(大正2年)に再建されたものだそうで、領事館は1859年の函館開港以来とのこと。建物はそう目立つものではなかったが、その庭は洋式庭園として整備されていて、規模や内容は違うが、ふと、長崎のグラバー邸を思い出した。

函館旧イギリス領事館

函館旧イギリス領事館

赤レンガ倉庫

さらに北へ下って行き、函館市北方民族資料館を右に見ながら通過して、そのまま直進すると突き当りになる。右折してしばらくすると港が見えてくる。海沿いに進むと、右手に赤レンガ倉庫が見えてくる。実は、あまり気にしていなかったのと、倉庫が景色に溶け込んでいて、やや行き過ぎて地図を見て気付いた。
少し引き返して写真を撮った。
明治時代の建造物で、当時は船荷の倉庫として使用されていたのだろう。今はイベントやレストランの入る商業施設となっている。

赤レンガ倉庫

赤レンガ倉庫

青函連絡船 摩周丸

そして、港を左に見ながら道なりに進むと、遠くに大きな船が係留されている。懐かしい摩周丸だ。

摩周丸

摩周丸

港自体に特別な様子は無いが、摩周丸があると言うことで寄ってみた。実を言うと、そうとう昔に何度か北海道へ旅をしたときは、北海道周遊券なるものを使って回るのだが、これには急行の自由席しか使えず、上野から夜行の急行列車に乗って、早朝に青森に着き、青函連絡船に乗って函館に向かうのが常だった。何時間だったろうか結構長い船旅の後、函館の景色が見えてくると、ついに北海道に着いたぞ、という感動があった。今はずいぶんと旅の様相が変わってしまったが、摩周丸に会い、往時の北海道の記憶と感動が彷彿としてくる。
しばらく思いにふけっていたが、時間が無くなってきたので次に向かう。

函館港の反対側(東側の海岸)

函館山で、見慣れた函館港と反対側の海岸線を見たとき、近くに町並みはあるが、海側に構造物が見えないので、函館の違う顔を見ることが出来るのではないかと思って訪れた。
山から見たとき、函館駅の辺りが最も狭まった場所で距離もさほど無いように見えたので、駅を通る横断ルートにした。地図によると、港から直線で約1.2kmほどだ。
港から函館の駅前を通過してそのまま真っ直ぐの道路を進む。左右は商店街、住宅街が続き、先に海があるという雰囲気は全くない。ひたすら進むと大森稲荷神社があり、その脇の道を通って、目の前に海が見えてきた。約20分だった。

大森稲荷神社

大森稲荷神社

こちらの海は港側とは全く様相が違っていて、砂浜の続く静かな景観だ。急に違う次元に入ったような錯覚さえ覚える。道路が海岸線沿いに無いせいか、慌ただしさもなく、聞こえるのは波の打ち寄せる音ばかり。観光に訪れるには、ある意味穴場かもしれない。

函館東海岸 函館山側

函館東海岸 函館山側

函館東海岸 北側

函館東海岸 北側

そして、海岸からの帰り道、ふたたび町の喧噪の中に戻り、現実に引き戻される。
15分ほど歩いて函館駅に到着。短い沿線の旅を終えた。

まとめ

函館は既に観光地化されているせいか、バスも頻繁に走っているし、市電もある。交通案内の標識も分かりやすい。有名な教会などに行くのなら行くところさえ決めておけば迷うこともないだろう。それと主要なスポットは1kmの円の中に収まってしまうのでは無いかというぐらいにコンパクトだ。
時間があるときに、ちょっとだけという寄り道旅行も楽しいかもしれない。もちろん駅周辺だけの話だが。その他にも見所はいっぱいありそうだから、楽しみ方もいっぱいありそうだ。自然派の旅行なら、函館山と東側の海岸はお勧めだ。

コメント