北海道、道東の知床半島と根室半島の中間に位置する野付半島は日本最大の砂嘴(さし)によってできた半島である。ノツケとはアイヌ語のノッケウ(クジラの下あご)という言葉から来たそうだ。なるほどそんな形だ。オホーツク海と野付湾の間の細長い半島で、総延長約28㎞あり、半島付け根から約15㎞にわたりフラワーロードが走っている。枯死した木々の残るトドワラ、ナラワラや先端近くの野付崎灯台周辺は原生花園となっている。また、野付湾は2005年にラムサール条約に登録されるなど、自然豊かな地だ。残念ながら、近くに鉄道は通っておらず、バス路線も限定されていて、なかなか行きにくい所でもある。以前より行きたいとは思っていたが、実現できなかったので、今回は車を借りて行ってみることにした。
根室でレンタカーを借り、根室半島を回った後、10時30分頃根室駅周辺を通過、そのまま野付半島へと向かった。根室から野付半島の入り口までは90㎞弱、先端に位置するネイチャーセンターまでは102㎞。ちなみに一番近い中標津空港からは40㎞あるそうだ。
まずは、根室からほぼ道なりに信号もほとんどない道をひたすら走る。根室から15分ほどで湖が見える。風蓮湖のようだ。野付風蓮道立自然公園の一部でこの辺りから景勝地が続く。風蓮湖もラムサール条約に登録された湿地帯で、冬には白鳥が飛来するようだ。今回は寄らずに車窓からの景色を写真に撮るのみだったが、趣のある湖のようだ。
その後は、地図上では海沿いだが、防風林だろうか海は見えず、林の中を延々と走ることになる。信号もないし、車もほとんど走っていない。結構スピードを出して走る車が多いので、ちょっと怖い。安全運転を心がけるが迷惑がられてる雰囲気はある。
途中、「おだいとう」という道の駅があるとのことなのでトイレ休憩も含めて寄ってみることにした。ここまで根室から1時間30分かかった。
着いたが・・・道の駅が・・・無い。工事中の建物があるが、どうやら改修中らしい。食堂や別海北方展望塔があることになっているが、入ることはできなかった。トイレは別棟になっていたので使えた。展望塔が使えないので、やむなくトイレの裏の方に回って写真を撮ってみたが、アングルは良くない。
この展望塔は北方領土返還を願い建設されたとのことで、野付半島や国後島を一望できるとなっていたが、残念ながら見えなかった。気が付かなかったが「四島への道・叫びの像」という像も近くにあるようだ。
道の駅からは15分ほどで、野付半島の入り口に着いた。ここからの道はフラワーロードという名前が付いていた。まずは、まっすぐ先端まで向かうことにした。道の両側は草むらに覆われており、遠景に野付湾やオホーツク海が見える。30分弱で野付半島ネイチャーセンターを通過、そのまま進むと、しばらく先で車両進入禁止となっていた。先には野付崎灯台が見える。この周辺が原生花園となっているようだが9月の初めだったせいか既に盛りは過ぎていて、めぼしい花を見つけることは出来なかった。
ここに咲く花の名前を見ると、ハマナス、エゾカンゾウ、ノハナショウブ、センダイハギなどとあるので一番の盛りは6月下旬から7月ごろになるのだろうか。ここは想像するしかない。クロユリも咲くようだがこれは5月下旬から6月上旬とあるので一度に見るのは難しいようだ。
車両進入禁止の場所から戻って、野付半島ネイチャーセンターに寄った。野付半島の自然や歴史の展示があり、レストランやお土産コーナーなどがあった。
ここからトドワラへの道が続いており、トド松などが海水の進入で枯死してしまった様子が見える場所だが、今回、時間が無く断念したが、1時間ほどの往復で行けるようだ。写真は遠景のみ。
碑には、野付半島の歴史が残されている。
帰り道で、途中、トドワラのような景色が車窓に見えたので、止まって調べるとナラワラという所だった。トドワラはトド松だったが、こちらはミズナラなどが同じように海水で枯死したものが林状になっているとのこと。
ここから、しばらく走ると、半島に近いところにオホーツク海側に駐車場がある。見回しても特に変化のないところだが、ここから国後島が目前に見えることが地図から分かったが、天気が悪かったせいか残念ながらその姿は見ることが出来なかった。
まとめ
季節的には6月後半から7月頃が最も華やかな時期だとは思いますが、トドワラやナラワラの一種寂しげな景色は花の少ない時期の方が似合うのかもしれません。冬は冬で白鳥の越冬地となっているので季節ごとの楽しみはありそうです。
野付半島の入り口からの車での往復だけで約1時間、トドワラやネイチャーセンターの見学や休憩を含めて3時間ぐらいあると余裕だと思います。
いずれにしても交通の便が悪いので車を使わないとなかなか行きにくい所ですが、一見に値するところと思います。私も今度は花の時期を狙って再訪したいと思いました。
コメント