帯広からえりも岬に向かう途中で、豊似湖というハート型をした湖があることを知った。なにやら神秘的な雰囲気を感じて立ち寄ってみることにした。ナビで探したが、残念ながら借りた車のナビには登録されていなかった。行き方としては、黄金道路の黄金道路トンネルと荒磯トンネルのちょうど中間辺りで豊似湖方面に曲がる道がある。道路標識としては「日高生活館」という看板が出ており、その下に小さな「たぬき」の案内で豊似湖とある。ナビは「日高目黒郵便局」と入れておくと曲がり角から少し先まではナビが利く。郵便局を過ぎてしばらくすると、舗装道路は終わり、砂利道の林道になる。
次の写真のような林の中をひた走る。砂利道なのでスピードは出せない。湖の駐車場までは約8kmぐらいで、20分ほどの時間がかかった。分岐点が途中にいくつかあるが案内板があるのでそれに従って進む。道は車1台が通れる程度の幅で、随所に退避場所はある。行った時が季節ではなかったせいか、すれ違ったのは往復の間で3台だけだった。ちょっと寂しい行程だ。
豊似湖の駐車場で車は行き止まりになる。奥にはトイレが設置されていて、それなりに訪問者が多いということなのだろう。
豊似湖は猿留(さるる)山道の一部で、駐車場からは約200mほど登ったところにあるとの案内だ。猿留山道はえりも岬を東西に結ぶ山道として開削された道で、豊似湖から先をさらに進むと豊似湖を俯瞰できる場所があるようだ。ただ、1人ということもあり遠慮した。なお豊似湖の周りは30分ほどで1周できるということで湖に向かった。
湖は駐車場からさらに登ったところにある。200mとさほど距離は無く、登りも緩やかなので気楽に登れる。ヒグマの生息域なので注意は必要だが、湖までの道は開けているので、そう問題はないだろう。もっともクマよけの鈴は付けて行ったが。
山道の周りは苔むした岩やシダ類の覆う所もあり、山奥の雰囲気を醸し出している。
豊似湖に到着。周りを林に覆われた小さな湖だ。駐車場側の到着点はハートのちょうど下側の突起部に当たる。ベンチなどもあって整備されているようだが、この周辺だけ。両側に道が続いているが、先は山道なのか獣道なのかと思うようなところもある。
さすがに、静かで神秘的にも見える湖だ。聞こえるのは鳥の声と、時折魚が跳ねるのだろう、水音しか聞こえない。
湖を1周してみることにして左回りに進んだ。水面から1~2mの高さのところを縁に沿って山道が続いている。駐車場側から見て左側の岸は北側なので日当たりが良く、道が比較的しっかり付いている。湖を少し奥に入ってみたい程度ならば左岸をお勧めする。
駐車場側の対岸にやってきた。この辺りから山道としてはどう続いているのかが判然としなかった。所々に木の階段があったりするので、この辺りだろうとは思うものの、はっきりとした道筋が分からない。小さな湖で、特に川が流れ込んでいたり出ていないので、湖に沿って歩けば何とかなるが、倒木があったりして寸断されているところもあったので、注意深く回る必要がある。駐車場側から見て右岸の道は少し分かりにくいところがある。
なお、駐車場の対岸からは一周の道とは別に、猿留山道がさらに上に向かっていて、そちらの方が道がはっきりしているので間違えないように。
また、ここは動物たちの水場にもなっているようで、獣道やぬかるみにはいくつもの足跡が残っていた。
天気も良かったせいもあって、左岸側はくっきりとその姿を見せていた。
この後、右岸の道を進むが、左岸に比べると林の中という感じだ。山道にある目印のテープなどもないので、岸近くの道らしきところを通って進む。道が明瞭でないのと倒木があって、それを避けながら行くので結構時間がかかった。30分の予定だったが10分ほどオーバーしてしまった。
人が誰もいなかったこともあって、本当に静かな山奥の湖を堪能することが出来た。反面、携帯もつながらないから安全第一でいかないといけないだろう。
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