7月6日に大雪山の黒岳に登ってきました。旭岳には3度も行っているのに、黒岳は今回が初めて。温泉地にある層雲峡駅から7合目まではロープウエイとリフトがあり、これを利用して、山頂まで約2時間、山頂から石室の間を往復で約1時間10分、山頂から層雲峡駅まで下りで約1時間50分の合計約5時間を要した。雪が残っていて登りにくい所もあったが、概して整備されていて迷うようなところもなかった。初めは山頂往復でもいいかと考えていたが、山頂に着いて、山頂までの道と石室までの景色が全く異なっていた。山頂までは草原のような中を進むが、山頂から石室の方は、背の高い草木は無く岩だらけで、そこに高山植物が咲き誇っていた。石室までの高低差は大きくなく道も整備が行き届いていた。行かなかったら後悔しきりだっただろう。
黒岳ロープウエイの層雲峡駅は層雲峡温泉街の一番奥まった所にある。
さっそく、シカが出てくるあたりは、さすが北海道だ。
黒滝ロープウエイの層雲峡駅はデザインがモダンで駅と思えない雰囲気がある。裏にロープウエイの鋼索が無ければ見過ごしてしまいそうだ。この建物のすぐ脇が駐車場になっている。
黒岳5合目にロープウエイの終点、黒岳駅がある。
黒岳駅横から北側の山々の眺望。
黒岳5合目の標識。横はヒグマに関する注意書き。
ここから、次のリフトの駅は200mぐらい離れていて、歩いて登っていく。この間に、移植したのだろうか道沿いに高山植物が咲いていた。
これらの花を見ながら登っていくとリフトの駅に着く。スキー場のような雰囲気だ。ペアシートのリフトになっている。リフトの下には黒岳の高山植物が咲いていて、これからの登山への期待が湧いてくる。
リフトは7合目までゆったりと登っていく。
7合目リフト駅から北東側の眺望。
リフト駅の近くにシマリスがいた。かなり人に馴れているようで、逃げないで近くを走り回っていた。
7合目の標識。
7合目から、登山道に入る。登り始めはゆるやかだが、
急に大きな岩が続く道になる。
そして、7月に入ったというのに雪が残っていた。
このような登山道が頂上まで繰り返しながら登っていく。
なお、7合目から8合目にかけては、目につく花の姿は見えなかった。樹林帯の中にあるためだろう。
8合目に着く。
8合目辺りから背の高い木が少なくなってきたせいか、徐々に花の姿が見えてきた。
8合目から9合目の間に咲いていた花は次のようだった。
9合目に到着。さらに周りが開けてきた。
頂上まで、周りは草原となっており、草原系のお花畑が続いている。
頂上までの登山の間で、花の種類が最も多かったのは9合目から頂上の間だった。登るにつれ花の種類も変わって来る。
頂上に近いところで、変わった岩が現れた。後で調べたら「招き岩」と言うのだそうだ。何を招いているのか、そして招かれているのか、意味深長な名前だ。
山頂に到着した。山頂には草は無く、岩がごろごろしている。この時は霧が出てしまって、周りを見通すことが出来なかった。
山頂の脇にはほこらが祀られていた。
山頂から黒岳岩室へ下る道。登山して来た道の反対側に当たる。初めは山頂まで行って下山しようと思っていたが、時間に余裕があったので、石室まで行ってみることにした。写真で分かる通り、これまでの登山道とは様相が一変している。草原の姿は全くない。
登山道の周りは岩がむき出しになっていて、そこに高山植物が張り付くように生えている。
この間には、コマクサがたくさん咲いていた。大雪山系に何度か登って、初めて出会ったので感動。
山頂から石室に下る道の先には雪渓が残っていた。中央が通路で、両側に広く雪が広がっていた。先には大雪の山々が雪を残してそびえていた。
雪渓まで下りたところで、黒岳山頂を振り返って見る。ここまでが、勾配が急なところで、ここからは、なだらかになってくる。
雪渓を過ぎた後はなだらかな土の道。周りはお花畑になっている。
石室に到着。石室自体は山小屋として泊まれるようだ。
この先にもお花畑のスポットがあるようだが、私はここで引き返すことにした。
山頂から石室までの間は30分ほどの行程だった。この間が、今回の登山での最も見どころの場所だったと思う。黒岳山頂で引き返さなかったのはまさに正解だった。引き返していたら今頃後悔しきりだったと思う。
この間の花は、高山植物の代表のような花々が広く咲いており、一見に値する。
今回、黒岳には初めて登ったが、ロープウエイやリフトで7合目まで一気に登れるという手軽さに加え、高山ならではの植物もロープウエイ側から山頂までと、山頂から石室までの間で植物相が違っていて、様々な花を見ることができる。気分の高揚する山だった。
コメント