幌満ダム

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北海道様似郡にあるアポイ岳ジオパークの幌満エリアにある幌満ダムに行って来た。何とはなしに、秘境のような雰囲気に惹かれてのことだ。
様似側から行くと、幌満トンネルを抜けて、すぐに幌満川にかかる橋を渡る。その先の最初の信号のある交差点を山側に左折すると、後は、ほぼ1本道だ。

幌満ダム地図(国土地理院地図閲覧サービスより)

幌満ダム地図(国土地理院地図閲覧サービスより)

幌満トンネルを抜けて、この先、幌満川に沿って上流に向かう。

幌満川

幌満川

幌満ダムへの道に入ると、しばらくは舗装された道を進む。1㎞ほど行くと、大きな採石場のような建物が現れる。道路が採石の粉塵だろうか真っ白になっている。後で調べたところ「東邦オリビン工業」という会社で、カンラン岩の採掘と砕石を行っている会社ということだ。ちなみに、カンラン岩の用途は鉄の溶鉱炉で不純物を取り除くために使用されたり、肥料として使われているとのこと。

東邦オリビン工業

東邦オリビン工業

この工場を過ぎると、道が狭くなってくる。車1台が通れるだけで、かつ砂利道になる。次の写真は上流の幌満ダム周辺の道路だが、このような道を進んで行く。

幌満ダムの道路状況

幌満ダムの道路状況

途中の道路の状況は様々だが、主にカーブ地点に退避場はあるものの、その間が意外と長いので、前から来る車に早めに気づかないと、結構狭い道をバックして戻らなければいけないので注意。そのような道が約8㎞ほど続く。今回、すれ違いした車は3台だけだったけれど、1台は材木を積んだ10トンぐらいの大型トラックだった。こんな大きな車が道路いっぱいに走っているのには驚いた。

約半分ほど進んだところに幌満川稲荷神社がある。1936(昭和11)年にこの渓谷に水力発電所を建設した会社とその従業員が建立したとのことで、ダムはさらに上流にあるが、発電所はこの辺りにあったので稲荷神社もこの地にあるようだ。

神社を過ぎて、500mほど上流に、今は使われていないえん堤がある。山深い中、廃墟と化したダムの跡は、なぜかもの悲しさを感じる。

旧えん堤

旧えん堤

さらに登ること3kmほどだろうか、目的地の幌満ダムに着いた。
ダムの脇に3台ほど停まれる駐車場がある。ここに停まれないと駐車する所もないし、戻ろうと切り返す所もない。観光の季節には要注意かもしれない。

だれもいない静かな所で、まさに秘境のダムといった感じだ。このダムは新日本電工という会社の持つダムで、民間所有ダムとしては貯水量で最大規模だそうだ。下流にあるかんらん岩の採掘・粉砕している工場への電力供給を目的として建設されたとのことだ。

幌満ダム

幌満ダム

幌満湖は山々に囲まれた景観の美しい所だ。わずかに紅葉している木もあり、たぶん本格的な紅葉の時期はすばらしいのではないかと思う。

幌満湖

幌満湖

ジオパークの案内によるとこの道の先は様似まで続いているようだが「ここで引き返そう」となっていたので引き返す。運よく帰りは1台の車ともすれ違うことはなかった。

このコースでは本来の目的となっている渓谷にあるカンラン岩の観察をすれば、さらに良かったのだろうが、細い山道に圧倒されてその余裕がなかったこと、1人で岩場に降りて何かあったらという不安も付きまとって出来なかったのは残念だった。しかし、ちょっとした冒険旅行のような雰囲気は味わえたのかもしれない。

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