四国と淡路島をつなぐ鳴門海峡にかかる「大鳴門橋」、この橋の一部が遊歩道になっており、橋の上から渦潮を見ることができる。大鳴門橋は自動車専用道路で、残念ながら橋の上を車を走らせながら渦潮を見ることはできない。そこで橋には遊歩道が作られている。もともとは車道の下に鉄道を通す計画があったようだが、その計画はとん挫しており、その場所の一部を利用した施設だ。海峡の幅は1,340m、橋の長さは1,629mあり、四国側から450mの区間が遊歩道になっている。ちなみに、この遊歩道を通って対岸に渡ることはできない。
なお、渦潮は潮の干満の差で起こるわけだが、ここから渦潮を見るには、その満ち引きの時間以外に問題があって、干潮・満潮のどちらでも見えるわけではない。実は干潮の時(満潮の時もまれに見えることがあるらしいが)しか見えないということだ。理屈の上ではどちらでも渦はできるはずだが、現実には干潮時には四国側に、満潮時には淡路島側に現れるということだ。なお、潮見船は出現しそうなところに行くのでどちらでも見えるので、満潮時の渦潮を見たいならば船に乗ることをお勧めする。
千畳敷展望台側から見た大鳴門橋。この橋の下側のトラス構造の中に遊歩道がある。よって、遊歩道ではこの柱の隙間から外を見ることになる。
遊歩道の中、両側は網で囲われており、風が通過するのと、潮の流れる音もして、結構臨場感にあふれている。ただ、網と鉄骨で見通しはいささか悪い。
遊歩道の先端部分から振り返ったところ。橋の構造が良く見える場所だ。左の箱様のものは歩いてきた遊歩道。なお、これより先には進めない。
所々にガラスになったところがあり、比較的障害物がなく見ることのできる場所がある。これは太平洋を望んだ方向で、引き潮だったので橋の所から太平洋に向けて潮の筋が現れ、そこに渦ができる。なお、満潮時には橋から瀬戸内海側に流れができる。
船の大きさから10mぐらいの渦になっていると思う。なお、渦は右巻き(時計回り)に吸い込まれていく。なお、満潮時は橋からでは流れは見えるが、なかなか渦にはならないそうだ。出れば満潮時は左巻きだと言う。一方、満潮時に船で淡路島側に行くと、こちらは右巻きで、結局、鳴門海峡の渦潮はほとんど右巻きしか見えないということのようだ。
どうも大きな渦は、橋の下あたりに出来るようで、これが、この日も見た一番大きな渦だが、橋の鉄骨がなかなか邪魔をして全容が見えない。ただ、目前なので大迫力だ。
橋には所々に床面にガラスがはめてあり、下を覗くことができる。ここからは渦潮のできる始まりの部分が見える。海峡が細くなった部分の岩礁に潮が当たり流れが乱れ、これが渦になっていくのが分かる。
橋は海面から45mあるそうで、高さもそうだが結構迫力がある。
橋から離れて鳴門公園に行ってみることにした。
まずは、千畳敷展望台に寄ってみた。千畳敷という柱の立っている場所があり、ちょっとした公園のようになっている。この辺りには土産物屋などが立ち並んでいる。千畳敷という名の由来は分からなかったが、この地域が小高い山のすそ野にあり、海に向かって広い平地となっていることと関係があるのだろう。この場所から海側に行くと展望台になっていて鳴門海峡が目の前に現れて来る。
千畳敷展望台から海に下る道がある。海岸線に沿って道があり、大鳴門橋が真上に見える。
この海岸は「相ケ浜(あいがはま)」と言うそうだ。まだ引き潮の時間で橋の下は急な流れのはずだが、この辺りはその気配すらしない静かな場所だ。下の写真は瀬戸内海側で、潮が引いた状態だが、砂浜というよりは石の多い海岸だ。
地平線から太平洋側を望むことができる。この辺りは、橋の下の辺りだが、海岸線は石で、海に向かって岩礁が続いている。これが渦潮発生の要因のひとつなのだろう。
千畳敷展望台から鳴門山展望台に行ってみることにした。ここには98.6mという小高い山がある。鳴門公園の中で一番高い所になる。
ここに登るには、千畳敷側から登るのと、第一駐車場側から登るルートがある。なお、第一駐車場側には有料だが「エスカヒル鳴門」という施設からエスカレータで山頂展望台に行くことができるようだ。
山頂には360度を見渡せる展望台がある。
展望台からは、鳴門海峡、淡路島、大鳴門橋が良く見える。海峡には引き潮が流れているのがはっきりと分かる。海の色も鮮やかで絶景ポイントのひとつだろう。
展望台から大鳴門橋と反対側を望む。先には「亀浦港」が見え、左手には自動車専用道の高架部分が、すぐ左の建物はエスカヒル鳴門の屋上展望台の一部が写り込んでいる。
あまりに有名なところなので、今更な感はあるが、鳴門に来たら、大鳴門橋遊歩道「渦の道」か「観潮船」で渦潮を、千畳敷展望台から降りた「相ケ浜」から下からの景観、「鳴門山展望台」から上からの景観を見るのが、言わばフルコースになると思う。
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