肥薩おれんじ鉄道沿線のフリーきっぷ
昔の鹿児島本線が新幹線の開業に伴って、第三セクターになった「肥薩おれんじ鉄道」、不知火海、東シナ海の海岸線に沿って走る風光明媚な鉄道だ。この区間に並行している新幹線はとにかくトンネルだらけで景色などほとんど見えない。九州に行くなら、新幹線で通過するのではなく、ぜひ乗ってみたい路線だ。今回紹介する「JR・おれんじぐるりんきっぷ」は片道をおれんじ鉄道沿線ののんびり旅と片道を新幹線の利便性でコラボしたきっぷだ。2日間の有効期間があるので1泊するのもよいだろう。
「JR・おれんじぐるりんきっぷ」の概要
フリー区間
「JR・おれんじぐるりんきっぷ」の利用エリアは3種類ある。有効期間はいずれも2日間。ねだんは大人・小児とも同一(小児ねだんなし)。
熊本エリア版: おれんじ鉄道の八代~水俣間がフリー(ねだん5,240円)
鹿児島エリア版: おれんじ鉄道の出水~川内間がフリー(ねだん4,200円)
ワイド(両エリア):おれんじ鉄道の八代~川内間がフリー(ねだん8,380円)
略図で示すと以下の区間の列車に乗ることができる。乗り方については次項の「利用方法」に記載。
利用方法
・往復のうちの片方はJR在来線と肥薩おれんじ鉄道を使い、もう一方は新幹線を使う。きっぷ購入時にその順番を決めて購入する。
・フリーエリアは肥薩おれんじ鉄道の指定された区間のみ。
・JR在来線と新幹線はそれぞれ一方向(戻れない)のみの使用。
・JR区間での途中下車は、川内駅、新八代駅、八代駅のみで各1回だけ可能。
・新幹線区間とJR在来線が並行している区間は、どちらに乗ることも可。
・新幹線自由席、JR特急自由席・普通自由席、肥薩おれんじ鉄道の自由席に乗車可。
・いずれの路線でも、指定席を利用するときは、乗車前に別途指定席券を購入要。
発売期間
・通年(利用限定期間なし)
・当日購入可
発売箇所
・熊本、新水俣、出水、鹿児島中央の各駅(JRの企画きっぷなので肥薩おれんじ鉄道では販売していない)
・「JR・おれんじぐるりんきっぷ」のエリア外から直接入る場合(例えば博多からきっぷを買いたい)は他の駅でも購入ができるが、その場合はフリーエリアまでのきっぷを購入することが条件となる。この場合、その間のきっぷは通常きっぷとなってしまう。
・「JR・おれんじぐるりんきっぷ」のエリアまでのきっぷは別途購入し、上記の販売駅で下車して、「JR・おれんじぐるりんきっぷ」を買うこともできる。一度降りなくてはならないが、「ネットきっぷ」などの割引きっぷを組み合わせて使うことでお得に旅行することもできる。
ねだんの比較
きっぷの種類 | JR・おれんじ ぐるりんきっぷ |
通常ねだん※ | 差 | 有効期間 |
熊本エリア版 | 5,240 | 5,540 | 300 | 2日 |
鹿児島エリア版 | 4,200 | 5,690 | 1,490 | 2日 |
ワイド(熊本・鹿児島)版 | 8,380 | 10,920 | 2,540 | 2日 |
※通常ねだんは、新幹線とJR在来線普通列車、肥薩おれんじ鉄道の普通列車で計算。それぞれ往復とも一番遠地間を新幹線を使う場合と使わない場合の合計とした。よって、途中下車は全く考慮に入れていない計算のとなっている。
肥薩おれんじ鉄道にも1日フリーきっぷがあるが、通常時 2,940円(小児1,470円)、土・日・祝日は2,000円(小児・65歳以上1,000円)となっている。これを組み合わせても「JR・おれんじぐるりんきっぷ」の方が安くなる。
なお、小学生以下の小児ねだんは「JR・おれんじぐるりんきっぷ」は大人と変わらないが、普通にきっぷを買えば半額なので、乗り降りが多くない場合は安くなる。肥薩おれんじ鉄道内での乗り降りが多い場合は肥薩おれんじ鉄道の1日フリーきっぷを利用することもできる。
JRのフリーきっぷの中に肥薩おれんじ鉄道に乗れる「旅名人の九州満喫きっぷ」(11,000円・普通列車利用)がある。肥薩おれんじ鉄道の乗車のみが目的であれば「JR・おれんじぐるりんきっぷ」の方がお得だが、他のルートも併せて考える場合には比較してみると良いだろう。
まとめ
肥薩おれんじ鉄道沿線を旅行したいと言う場合には、使い勝手の良いきっぷだ。ねだんもきっぷを繰り返し買うよりお得になっている。ただ、小児ねだんが無いので、家族旅行で小学生の子供がいる場合はコースを考えて子供だけ通常にきっぷを買った方が良いか調べた方が良い。指定席券を買うなどすれば、肥薩おれんじ鉄道の企画列車にも乗れるので、いろいろな楽しみ方があると思う。
もともと鹿児島本線の歴史のある路線だし、この区間の新幹線の景色の味気無さを癒してくれる。名所もいくつもあり、一度は乗ってみることをお勧めする。
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