ポルトガル語文法:動詞(基本・目次)

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ブラジルポルトガル語:動詞

ポルトガル語の動詞

英語だけは勉強して来たという人にとってやっかいなのは、ポルトガル語にはいくつかの大きな違いがあるということだ。ラテン語系のフランス語・イタリア語・スペイン語などと同様に、ポルトガル語には名詞や形容詞に男性・女性の違いがあり、動詞にはその変化が人称や時制によって変化するなどの点だ。これらは覚えるしか方法がないので、最初から面食らってしまうかもしれない。

例えば、ブラジル・ポルトガル語の人称は、基本的に一人称単数、三人称単数、一人称複数、三人称複数の4種類がある(二人称がないわけではないが例外的にしか使われない)が、それぞれで動詞が変化する。

時制では、直接法で現在・半過去・完全過去・大過去・未来・過去未来があり、接続法で現在・過去・未来がある。これらの時制が、先ほどの人称ごとに変化をする。会話レベルであれば、これらの時制の一部はほとんど使わないものの、それでも人称と時制での組み合わせの数は多い。

また、動詞の変化は基本的に規則変化をするが、不規則変化の動詞もあり、しかもよく使われる語に不規則なものが多いというのもやっかいだ。

そうは言っても、ポルトガル語をマスターするには、この動詞のハードルを越えないわけにはいかない。そこで、まずは動詞の説明から順番に始めようと思う。

動詞の基礎

動詞の基本形

動詞は、一部の例外を除いて、その原型(不定詞)は語の最後に-ar、-er、-irが付く。これらを順に、ar動詞、er動詞、ir動詞と呼ぶ。動詞の変化形は、多くがこの3種類ごとに決まった変化をする。この定型の変化をするものを「規則(活用)動詞」、逸脱するものを「不規則(活用)動詞」と呼ぶ。

直接法と接続法

ポルトガル語の動詞には直接法と接続法という分類がある。
直接法とは、
話し手が内容を「事実として客観的に説明する場合」に用いる場合の動詞で、具体的には「~は~です」と疑いや想像を含まない場合に使われる。
接続法とは、
① 話し手が内容を「事実であることを疑う」、「実際には起きていないことへの可能性を願う」、「主観的な判断をする」のような場合に用いる。「~だろうか」、「~したいな」、「~のようだ」などと言う場合となる。すなわち、「考えている」だけで実際には実現していないというところがポイントである。
②基本的に節(主に従属節)の中で用いられる。接続詞 que, se, quando, como, onde, quem などの後に来る動詞が①のようなことを表現する場合に用いられる。
よって、確実な内容である場合には接続詞の後でも直接法を使うことになる。

動詞の時制

ポルトガル語の動詞には基本形として9種類の時制がある。英語であれば現在形・過去形・完了形と進行形のように基本は4種類だが、ポルトガル語は直接法と接続法という文章構造の違いによる変化と時制の組み合わせがあり、かつ、英語でのwillやhaveなどの助動詞に当たるものを使わずに表現したり、過去進行形などの表現のために別の時制を持つ。また、不定詞・現在分詞・過去分詞は他の動詞や前置詞との組み合わせなどで使われるなど複雑になっている。

また、動詞は時制に加えて人称によって変化する。ブラジル・ポルトガル語では一人称の単数・複数、三人称の単数・複数の4種類となっている。動詞を見れば(聞けば)人称が分かるので、主語が省かれることが多いので、会話でいきなり動詞から言われるので初めは面食らってしまうこともある。

※[なお、代名詞で言えば、一人称単数はEu(私)、三人称単数はVocê(あなた)・Ele(彼)・Ela(彼女)、一人称複数はNós(私たち)、三人称複数はVocês(あなたたち)・Eles(彼たち)・Elas(彼女たち)となるが、この後の説明では代名詞だけで人称を表現することがある。]

いずれにしても、動詞が会話のキモになっているおり、いずれも規則変化していれば良いのだが、意外とよく使う動詞に不規則活用が多いということでやっかいだが、時制・人称による変化は覚えるしか手がない。

目次(動詞の各時制の説明ページへ)

以下に時制の一覧を示す。個々の詳しい説明や例文などは、表題をクリックして参照して下さい

時制 使い方
不定詞 動詞の原形を用い、英語の「to do」のように「~すること」と主語や動詞や前置詞の目的語となる
現在分詞 英語の「~ing」に相当し、いわゆる「進行形」を作ったり、「分詞構文」や他の語との組み合わせで「個別の意味を持つ」場合がある。
過去分詞 英語の過去分詞とほぼ同じで、いわゆる「完了形」や「受動態」を構成したり、「分詞構文」や「形容詞」としても使用される
直接法・現在 現在の状態・行為・動作をそのままの状態で示す
直接法・完全過去 現在から見て、過去のある時点の状態・行為・動作をそのままの状態で示す(その時点で行為等は終わってる)
直接法・不完全過去 過去のある時点においてある事象が展開中であるという場合(すなわち完結していない)で、かつ現在は行われていない場合の時制を言う
直接法・大過去 英語で言えば「過去完了形」に相当。過去のある時点より前に起こったことを表現する。この「大過去」には単純型 (forma simples)と複合型(forma composta)の2種類がある。この項では単純型の紹介、通常書き言葉として使われる。複合型は「過去分詞」へ
直接法・未来 現在時点から見ての未来、「~であろう」という未来の漠然とした事柄を言う場合や、現在または未来における推量として用いられる。なお、「~するつもり」のように確実な近未来については、「ir+動詞の原形(不定詞)」を使う方が一般的になっている。
直接法・過去未来 過去未来は過去の時点から見ての未来、1. 過去の推量「~するつもりだった」「しようとしていた」2. 命令や願望などを丁寧または控えめに表現「~してもらえませんか」3. 事実と反したり、実現不可能なことをした場合の結果を想像する「(もし~であったら、)~であったろうに」
接続法・現在 実際には起こっていないことに関して、そのことを「現在」時点でどのように思っているかを表す場合に用いる。いずれも「que」やその他の接続詞を伴う節の中で使用される。
接続法・過去 過去の時点で実際には起こっていないことに関して、その時点でどのように思っていたかを表す場合に用いる。接続法・現在を過去の時制にしたもの。
接続法・未来 その時点では「まだ起こっていない」ようなことが、その後「起こる」としたならば、ということを表す節の中で用いられる。英語ならば節の中にwillが含まれている場合と考えれば良い。
命令形 いわゆる命令や依頼・懇願の場合にも用いられる。動詞の形としては接続法・現在を使用することが多い
再帰動詞 再帰代名詞(me, se, nos)を伴う動詞を言う。辞書では、動詞-seという形で分類されている。再帰代名詞は主語と同じものを指す代名詞で、英語で言うとoneselfに相当し、他動詞の目的語のように使われ、再帰代名詞と動詞でひとつの意味を持つ。

 

コメント

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