初めて北海道を車で旅する人への注意点

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北海道旅行はこのところJRが縮小してきているのと、主要都市までは列車でいけるものの、そこから先は大きな観光地であればバスの便もあるが、大方は車を使わないと効率的に回れないというのが実情となっている。よって、自分の車かレンタカーを利用することになるが、知らない土地での不安もあると思うので、これまで車で回って来た経験から注意点を洗い出してみた。なお、冬場の雪道については一切触れない。あくまでも雪のない道が前提なのでご了承いただきたい。

レンタカー会社

北海道は主要都市であれば大手のレンタカー会社がほとんど揃っているが、地方に行くとそうもいかない。ただ、地元のレンタカー会社が結構あり、インターネットに載っていないようなところもある。そういう場合は町の観光協会や宿泊予定の旅館に聞いて教えてもらうことが出来る。値段も比較的安いことが多い。

一般道の状況

道路は国道や道道は概して道幅も広く走りやすい。市街地はどこも変わらず交通量が多いが、市街を離れると交通量は極端に減る。場所によっては、ほぼ一直線でずっと続いているなどの場所があり、周りの景色がほとんど変わらないなど、スピード感覚が無くなってしまうことがある。そして、周りの車がかなりのスピードで走っていることが多いので、つい一緒にスピードが上がってしまうこともある。当たり前のことではあるが、スピードの出し過ぎが一番注意しなければならないことになる。しかし、これまでの経験ではどの道も制限速度内で走っている車はほぼ皆無と言っていいぐらいで、まるで高速道路かと思うような状況の所もある。
普通の場所では追い抜かさせれば良いのだが、特にカーブの多い所などは追い越し禁止になっていて、その区間距離が結構長い。そういう所では追いかけられてしまうこともあるので、危険を感じたら広い路肩のある所で追い抜かせるなど巻き込まれないようにするように心がける必要がある。

また、北海道の道路は速度標識がない所が多く何キロで走れば良いのかと疑問に思うこともある。これについては、高速道路を除く一般道路は最高速度は時速60km/hで、原則として最高速度60km/hの速度指定は行わないものとするとある。要は最高速度が60km/hの所には標識がないということだ。同様に、中央線のない一本の道路の場合に速度標識のない場合は、最高速度50km/hになるとのこと。

一方、北海道の中央部は山岳地帯なので、一転してカーブのきつい峠道が結構ある。道路自体は整備されていて走りやすいが連続の急カーブが多いのと、勾配があって下りでは気づかないうちにスピードが出てしまうことがあるので注意が必要だ。

注意点のもうひとつとしては、照明があるのは市街だけで市街を一歩出ると真っ暗になってしまうので、慣れていなければ太陽の出ている時間に回れる計画を立てる必要がある。
日の出、日の入り時間は経度から計算すると札幌と東京はほぼ同じ、札幌と大阪なら大阪より約25分早まり、博多では約35分早まる。また、北海道の東から西でも約20分ほどの差があるので、自分の住んでいる土地との時差の感覚をつかんでおくと良いだろう。

林道などの状況

若干奥まったような目的地へ向かう道や登山口に続く道は、人家のある辺りまでは舗装されているが、ほとんどが途中から砂利道になる、車線も1車線で行き違いの待避所があるような道路がほとんどだ。比較的整備はされているが場所によりけりなので、注意して運転するする必要がある。場所によっては道いっぱいに大型トラックが迫ってくることもあったので先の様子をうかがいながら走るようにしないと、山道でバック運転を強いられる。
当然、街路灯などはないし、山や林の中なので暗くなるのが早いと思った方が良い。よって、少し早めの明るいうちに通り抜けるように計画した方が良い。

移動の距離

北海道は道外とはずいぶん距離感が違う。観光スポット間が50㎞ぐらいは普通で、100㎞以上になることもある。休憩も含めて計画を立てないと運転をしっぱなしになる。国道や道道沿いには途中に駐車場やトイレがあることが多いが、店のあるようなところはほとんどない。同時にガソリンスタンドも途中ではほとんど見かけないので不安だったら早めに市街で入れておいた方が良い。
経験上、運転計画は最大でも1日200㎞ぐらいの範囲で考えるのが良いと思う。

野生動物

北海道ということで、野生動物が多いが、実際に問題となるのは鹿だ。キタキツネもよく見かけるが林道などぐらいにしか出てこないので一般道ではあまり問題にはならないと思う。熊はさすがに道路に出てくるのは知床や最近問題になっている札幌だろうが、それでも可能性は低い。
一方、鹿はどこにでも出てくるので注意が必要だ。鹿は本来「薄明薄暮性」なので日の出前や日没直後あたりが活動時間になる。よって、昼間にはあまり見かけないが、少し日が傾いてきたころになると、道路を横断するのに出会うことがある。
鹿が道路に出てきて1頭が道を横切るのを見たら、その1頭が通り過ぎてもスピードを落とした方が良い。鹿は群れで暮らしていることが多いので、次々に飛び出してくることがある。しかも、悪いことに驚くと立ち止まる性質があるようだ。急に止まってこちらを見ている。それで危険を感じると逃げ出すのだが、その立ち止まりのせいで衝突してしまうことがあると聞いている。鹿は大きいし、ぶつかるとこちらにもダメージがある。
また、前の車が鹿に気づいて急ブレーキをかけることもあるので、車間距離は十分に取っておかないと事故をもらうことになってしまう。両側が林や茂みになっているところ、鹿注意の標識の出ているところはいつ出てきてもいいように心構えをしておく必要がある。
なお、鹿と衝突したら一応警察に連絡して対処方法を聞く必要がある。レンターカーの返却時や保険の請求に事故証明が必要となるし、場合によっては鹿の処分の問題もあるので念のため。

まとめ

総じて北海道の道路は走りやすいと思う。ただ、スピードを出しやすいので注意が必要だ。走ると分かるが、「もし事故を起こしたら警察や救急車を呼んでもこんなところでどのぐらい待たなければならないのか」とか、「もし単独事故だったら見つけてもらえるだろか」などと何度も思ったことがある。
市街でなければ、ほとんど人や自転車が走っているようなことはないので、ほぼ車に注意すれば良いのだが、野生動物という思いもよらない行動を取るものもいるので、くれぐれも安全運転に徹するように、走りながらも気を引き締める必要がある。

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